期限の数え方の本 第2章
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初日不算入は、期間の最初の日を数に入れないという決まりだ。民法第140条に書かれている。第139条と同じ「期間の起算」という見出しの下にあり、二つの条文で期間の数え始めを決めている。
「日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。」
対象は、日・週・月・年を単位にした期間に限られる。時間を単位にした期間は、すぐ前の第139条が「即時から起算する」と定めていて、初日という考え方は出てこない。
条文の読み方を一つの形で示すと、こうなる。ある日の昼に、日を単位にして10日の期間を定めた場合、その日は数えない。翌日を1日目として数え、10日目にあたる日が末日になる。期間が満了する時点は、第141条が「前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する」と定めている。前条とは第140条のことなので、初日不算入で数えた期間は、末日が終わったときに満了する。
ただし書は、期間が午前零時から始まる場合だ。この場合は初日がまるごと期間に入るので、初日も数える。初日不算入に対して、初日算入と呼ばれる数え方になる。午前零時がいつかは、時計の時刻で決まる。日本の時刻の基準になる標準時については、別の本で条文からたどった(日本標準時は東経百三十五度)。
どちらになるかは、期間がいつ始まるかで決まる。期間を定めた法令や契約に別の数え方が書いてあれば、第138条によりそちらが先になる。
国税にも同じ形の規定がある。国税通則法第10条第1項第1号だ。
「期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるとき、又は国税に関する法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。」
民法と比べると、ただし書に「国税に関する法律に別段の定めがあるとき」が加わっている。民法では、法令に別の定めがある場合を第138条で扱っている。
年齢の数え方は、民法の初日不算入とは違う。明治35年の年齢計算ニ関スル法律は、本文が三つの文だけの短い法律で、最初の二文はこうなっている。
「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」
「民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス」
三つ目の文は、明治6年の布告を廃止するというものだ。生まれた日から数えるので、年齢は初日を算入する。そのうえで民法第143条を準用するから、年は暦に従って数え、起算日に応当する日の前日に満了する形になる。応当日の読み方は次の章で扱う。
初日を数えるか数えないかで、末日は一日ずれる。ある期限がどちらで数えられるかは、その期限を定めた法令や契約、募集要項などの文言で確かめることになる。民法第140条は、第138条のとおり、法令などに別の定めがない場合に使われる規定だ。
参考:e-Gov法令検索「民法」(第138条〜第143条)/e-Gov法令検索「国税通則法」(第10条)/e-Gov法令検索「年齢計算ニ関スル法律」
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