オトスミ文庫
毎話つながって読める連載小説。第一話から順にどうぞ
行きつけの和菓子屋が閉店する。落ち込む八重子さんと、棚の奥の古いノート。連載の最終話。
鍵のかかった預かり所のカウンターに、毎朝、百円玉が置かれている。置いていく人は何かを返しているのだ。
バス停で拾った、ひもが片方だけ切られた手袋。持ち主を探す八重子さんの推理は、勘から始まる。
預かり所に傘が二本。どちらも黒い長傘。「自分のだ」と言う男の人は、傘の中を見ようとしなかった。
十月、ひなたは星見荘に新しい住人を迎える。星見荘の夜に、また新しい一ページが開かれていく。
秋学期が始まり、ひなたは進路の迷いに立ち止まる。トメさんの一言が背中をそっと押してくれる。
夏休み、ひなたの母が港町からはるばる星見荘へやって来た。母娘が並んで見上げた、八月の夜空。
七夕の夜、トメさんは初めて亡き夫の話をする。屋根裏の望遠鏡に残されていた、一冊のノート。
梅雨の嵐で星見荘が停電になった。暗闇のなか、住人たちはひとつのテーブルを囲んで、ろうそくを灯す。
六月に入り、ホームシックが深まるなか、ひなたは故郷の母に手紙を書く。