年末調整の本 第5章
第4章で見た票の話のあとで押さえるのが、扶養控除です。第1章・第2章・第3章の精算の枠のうえで、納税者に所得税法上の控除対象扶養親族がいるときに受けられる所得控除を、扶養控除といいます。配偶者はこの控除の対象には入りません。配偶者控除や配偶者特別控除の側に分かれます。親族のうち一定の要件を満たす人が、この控除の対象になります。
控除額は、扶養親族の年齢や同居の有無などで分かれます。一般の控除対象扶養親族は38万円です。特定扶養親族は63万円で、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の人です。老人扶養親族は70歳以上で、同居老親等以外の者は48万円、同居老親等は58万円です。同居老親等は、納税者またはその配偶者の直系尊属で同居を常としている人をいいます。
控除対象になる扶養親族は、その年の12月31日時点で16歳以上の人に限られます。16歳未満の扶養親族は、所得税の扶養控除の対象外です。扶養親族に当たるには、配偶者以外の親族であることが要ります。納税者と生計を一にしていることも要ります。年間の合計所得金額が一定以下であること、事業専従者でないことなども並びます。
所得要件は年分で変わります。令和8年分から適用される金額は、合計所得金額62万円以下です。給与所得だけの場合は、給与収入136万円以下に相当します。この改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。令和7年分以前の所得要件を、注記なしに現行の数字へ置き換えないことが大事です。年末調整では、扶養控除等申告書の記載が、この控除の入り口になります。
家計の助言や俗称での線引きの話は扱いません。押さえるのは、配偶者を除く控除対象扶養親族の枠と、控除額の型と、令和8年分の所得要件です。配偶者側の控除との違いは、次の章に回します。
次は、配偶者側の二つの控除の違いです。
参考:国税庁タックスアンサー No.1180/国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」
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