年末調整の本 第3章
第2章で見た時期の枠とは別に、年末調整と確定申告は手続の主体が違います。第1章の精算は、会社など給与の支払者が行います。毎月の給与から源泉徴収した所得税および復興特別所得税の合計と、その年に納めるべき年税額を一致させます。確定申告は、納税者本人が税務署へ申告する手続です。支払者側の精算か、本人が税務署へ出す申告か、という分かれ方がいちばん大きいです。
給与所得者の多くは、勤務先の年末調整でその年の所得税額が固まり、納税もそこで終わります。その場合には、確定申告の必要はありません。第1章で見た対象に入り、年末調整で年税額までそろえば、その年の所得税の納税はそこで終わります。会社員など給与所得者の多くの人は、このルートで足ります。
それでも、給与所得者でも次のいずれかに当たれば、確定申告が必要です。還付のための申告は、この義務の列挙とは分けて見ます。そのひとつは、給与の年間収入が2,000万円を超える人です。給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収の対象である場合で、給与所得と退職所得を除く各種の所得の合計が20万円を超える人も含まれます。給与を2か所以上から受け、年末調整されなかった給与の収入と、給与所得・退職所得以外の所得との合計が20万円を超える人も同様です。
2か所以上から給与を受ける場合には、例外もあります。給与の収入合計から、雑損控除・医療費控除・寄附金控除・基礎控除を除いた所得控除の合計を差し引いた金額が150万円以下で、さらに給与所得・退職所得以外の所得合計が20万円以下なら、申告は不要です。同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人も、申告が必要です。災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人も対象です。源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人、退職所得について正規の計算をした税額が源泉徴収額より多くなる人も、列挙に入ります。
一方、確定申告をすれば税金が還付される人は、上の「しなければならない」という列挙からは除かれます。医療費控除や寄附金控除などで還付を受けるために申告するケースは、義務ではないが申告する、という区分に当たります。寄附金控除や住宅借入金等特別控除の初年度の詳しい手順までは扱いません。押さえるのは、支払者の精算と本人の申告の違いと、義務になる類型の地図までです。個人の還付額の見込みは扱いません。
次は、給与の支払者が交付する書類です。
参考:国税庁タックスアンサー No.2662/No.1900
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