年末調整の本 第7章
第6章まで見てきた扶養や配偶者の控除とは別に、納税者本人の所得から差し引く枠があるのが基礎控除です。第1章・第2章・第3章・第4章・第5章の地図のうえで、確定申告や年末調整で所得税額を計算するときに総所得金額などから差し引ける所得控除のひとつです。控除額は、納税者本人の合計所得金額に応じて決まります。扶養親族や配偶者の有無ではなく、本人の所得区分で額が変わる点が特徴です。合計所得が高いほど控除額は下がり、一定を超えるとゼロになります。
年末調整で基礎控除の適用を受けるには、基礎控除申告書の提出が必要です。勤務先は、提出を受けた申告書を基に基礎控除額を差し引きます。令和8年分では、改正後の基礎控除額を申告書に正しく記載する必要があります。様式は、配偶者控除等申告書や特定親族特別控除申告書、所得金額調整控除申告書と兼ねた一枚にまとまっていることがあります。提出漏れがあると、年末調整の計算に基礎控除が乗らないことがあります。
令和8年分の控除額は、居住者について次の区分です。合計所得金額が489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下なら67万円、655万円超2,350万円以下なら62万円です。2,350万円超2,400万円以下は48万円、2,400万円超2,450万円以下は32万円、2,450万円超2,500万円以下は16万円です。2,500万円を超えると控除額はゼロになります。過去年分の額を、注記なしに現行の数字として書かないことが大事です。
令和8年分のこの控除額は、令和8年12月1日から施行されます。令和8年12月に行う年末調整など、同年12月以後の源泉徴収事務から改正後の額が使われます。同年11月までの源泉徴収事務には変更がありません。死亡や出国に伴う準確定申告では、提出時期によって改正前の額が適用される場合があり、改正で額が変わるときは更正の請求で寄せられることがあります。施行日前の適用関係など、細部は改正関係のQ&Aにあります。
押さえるのは、本人の合計所得に応じて差し引く所得控除であること、年末調整では基礎控除申告書が入り口であること、令和8年分の区分と施行日です。個人の税額の見込み計算や、還付額の試算は扱いません。年分を明示したうえで、公式の表の列を読むと、額の取り違えが減ります。
参考:国税庁タックスアンサー No.1199/国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」/国税庁「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」
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