短編小説・物語・読みものを集めた、小さな書店のようなサイトです。電車の中や寝る前の数分で、読み終えられる作品を並べています。
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連載小説は 星見坂の下宿 第1話 から(目次はこちら・全10話で完結)。謎解きなら 落とし物係の八重子さん(全4話・完結)、一話完結なら 忘れ物の傘 がおすすめです。
新着の作品
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飛脚と雨の日の一番渡し
三日降り続いた雨で川は止まり、飛脚の甚吉は宿場で足止めになった。急ぎの書状を抱えた彼は、宿の番頭に心付けを握らせて頼みごとをする。
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引き継ぎ書の最後の項目
来週の月曜から七階へ移る私は、金曜の夜に引き継ぎ書を書いている。後任の北村さんに渡す業務は十一項目で、十二項目目だけまだ書けていない。
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共用冷蔵庫のプリン
月曜の朝、共用冷蔵庫から名前つきのプリンが消えた。総務の矢作さんが犯人探しを始めたが、金曜の夜に残っていた私は何も知らない顔で席に座っている。
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海の音の一致率
火星の居住区で、私は夏休みの自由研究に「地球の海の音」を選んだ。聞いて回った相手は五人で、答えは一つも重ならなかった。
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告白の原稿を読み上げる
引っ越し前日の空き部屋で、後輩の僕は先輩に告白した。手順書を読み上げる形になり、先輩は段ボールにもたれて肩を揺らし続けた。
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管理組合の保管規定
共用廊下に物を置いてはならない。置かれた物は管理組合が保管する。条文どおりに動いた書記が、総会の出席者まで預かることになった。
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改札が閉まった七回
一年のうちに自動改札で止められた回数を、場面を頼りに数えてみた。答えは七回で、今朝がその七回目だった。
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かわうそと数まちがいの石
冬ごもりに集めた石を、数えるたびに一つ足りないかわうそ。夜のあいだに、石がひとつ川へ帰っていたのです。
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最後の三十分
祖母の銭湯で番台を手伝う夏休み。客は一日に数人で、扇風機は首が半分しか回らない。右側の籠には、風が一度も当たらない。
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岡田さんの読み方
町の観測所に着任した陽菜は、毎朝、前任の岡田さんが残したメモのとおりに天気を読み上げている。そのメモは、妙によく当たる。
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掃除当番表の名前
エントランスの掃除当番表に、誰も書いていない名前が毎週ひとつずつ増えていく。新任の会計係は、洗剤の領収書と表を見くらべて首をひねった。
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かさ屋のおばあさんと三つの約束
雨の降らない村のかさ屋は、雨に使わない人にしか傘を売りません。そこへ旅の若者が来て、赤い柄の傘を買いたいと言いました。