名作を読んでみたいけれど、分厚い文庫本を前にすると手が止まる。そんな人におすすめしたいのが、青空文庫だ。
青空文庫は、著作権の保護期間が終わった作品を無料で公開している、インターネット上の図書館だ。スマートフォンのブラウザや電子書籍のアプリから、すぐに読める。短い作品もたくさんある。
まず、短い作品から選ぶ
名作と聞くと長編を思い浮かべがちだが、実は短編にこそ、書き手の凄みが凝縮されていることが多い。
たとえば、次のような作品は比較的短く、初めての一編に向いている。
- 芥川龍之介「蜜柑」:電車の中のほんの数分の出来事を描いた掌編
- 梶井基次郎「檸檬」:ひとつの果物が心を変える、不思議な短編
- 宮沢賢治「注文の多い料理店」:読み終えたあとに背筋がすっとする童話
- 新美南吉「手袋を買いに」:やさしい声で語られる、子ぎつねの物語
どれも通勤電車の中や、寝る前の十五分で読み切れる分量だ。
古い言葉につまずいたら
昔の作品には、現代では使わない言葉や漢字が出てくる。つまずいたら、そのまま読み進めてかまわない。意味の分からない単語を、全部調べる必要はない。
大事なのは、文章の流れと声の調子を感じることだ。声に出して読むと、意味が分からなくてもリズムが体に入ってくる。
読む環境を少しだけ整える
青空文庫を読みやすくするコツは、読む環境を少しだけ整えることだ。
- 画面の文字を少し大きくする
- 縦書きで読めるアプリやリーダーを使う
- 寝る前は画面の明るさを下げる
- 夜に本を開く時間を決めておく
縦書きで読むと、不思議と物語の世界に入りやすい。文章がもともと縦書きを前提に書かれているからだろう。
読んだあとに
短い名作は、読んだあとにすぐ忘れてしまうこともある。そんなときは、心に残った一文だけを手帳に書き写してみる。
一文だけでいい。あとから読み返したとき、そのときの気持ちがふっとよみがえる。
秋の夜長に、スマホの中の図書館へ足を運んでみてはどうだろう。青空文庫の入口はこちら。
