改めるのは皇位継承のときだけ

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新しい元号は午前中に決まる 第2章

第1章で見た元号法の本則は二項です。第一項は政令で定める、という決め方です。第二項は、いつ改めるかの一文です。皇位の継承があった場合に限って改める、とあります。改元のタイミングは、この短い条件に収まっており、長い説明はなく一文で閉じています。

限り、という言葉が効きます。皇位の継承があったときに改める、という肯定だけでなく、それ以外では改めない、という閉じ方でもあります。災害や吉事を理由に年号を変える道は、この法律の下にはありません。世の中の出来事の大小にかかわらず、改元の事由は継承ひとつに絞られています。条文は事由の一覧を並べず、継承のときに限る、とだけあります。

いわゆる一世一元も、この第二項の読み方に重なります。一人の天皇のあいだに一つの元号、という整理です。法律の本文に一世一元という四字はありません。皇位の継承があった場合に限り改める、という一文が、その中身を担っています。物語のスローガンではなく条文の条件で、継承がなければ、元号はそのまま翌年へ続きます。

内閣府のページでも、第二項は同じ文言で掲げられています。e-Govの法令データでも、第二項の文言は変わりません。平成への改元も、令和への改元も、皇位の継承に伴うものです。首相談話でも、そのときの改元は皇位の継承に伴うものとして説明されています。政令の書き出しは第一項に基づく、とあり、改めるタイミングの側は第二項の条件に沿います。

決め方と、いつ改めるかは二項に分かれ、第一項が名前の定め方、第二項が改元の扉の鍵です。名前を政令で定めることと、改める時機を継承に限ることは別の条文で、両方そろっていまの改元の型になります。名前だけ決まっても、継承がなければ改められません。

第1章の法律は昭和五十四年にできました。そのときから、改元の扉は継承のときにだけ開く、とあります。長い歴史のなかで年号が動いた理由はさまざまでも、いまの法律の言葉は単純です。継承があった場合に限り、であり、それ以外の理由では改めません。本則に例外の書き方はなく、カレンダーや出来事の都合で年号を切り替える仕組みでもなく、継承が条件です。

施行日の決め方は、改元ごとの政令の附則に置かれます。平成は公布の翌日からの施行です。令和は、退位等に関する皇室典範特例法の施行日の翌日からです。いつ改めるかの法律上の条件は第二項にあり、いつから使うかの日付は政令側に書かれます。第二項は扉を開ける条件で、政令の附則は使い始めの日付であり、条件を満たしてから施行日が決まる順番です。

次の章では、候補名を整理するときの条件を見ていきます。

参考:e-Gov「元号法」/内閣府「元号について」

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