新しい元号は午前中に決まる 第4章
第1章の法律のあとに手続があり、第3章の六点は出てきた案を整理するときの留意点でした。その前段にあるのが、候補名の考案です。第2章の継承の条件とも別に、選定手続の冒頭に置かれ、内閣総理大臣が考案を委嘱する、とあります。整理の前にまず案を集める段で、法律の本則には考案者の定めがなく、手続文書の側に手順があります。二項の法律のあとにこの考案の段が続き、政令で定める、という第一項の中身を埋める入口でもあります。
委嘱の相手は、高い識見を有する者です。次の元号とするのにふさわしい候補名の考案を委嘱する、と手続は書きます。人数は若干名とし、名簿の人数を細かく固定しません。個人名の列挙はこの手続本文にはなく、誰が考えたかより委嘱して案を出す、という型が先です。有識者という呼び方も、手続の言葉では高い識見を有する者、です。
各考案者には、おおよそ二ないし五の候補名の提出を求めます。一人が大量に出す形ではなく、数案に絞る前提です。提出に当たり、各候補名に意味と典拠などの説明を付ける、とあります。名前の二字だけでなく、意味と出典の説明がセットで、案だけがぽつんと来る形ではなく、説明付きで揃えるのが考案の提出の型です。典拠等、とあるので、出典の説明が想定されています。
第3章の漢字二字の条件ともつながります。案を出す段階でも、二字の形を意識しやすい仕組みです。公用の漢字の話は、常用漢字の本でも扱っており、二字という形の感覚と重なります。ここでは手続の側から見ると、考案の提出物に意味と典拠が付く、という点が先です。未公表の名前を当てる話ではなく委嘱と提出の手順であり、手続の本文は型だけを書きます。
考案者から出た案は、次に官房長官の整理へ渡ります。第3章の六点は、その整理のときの物差しでした。考案と整理は段が分かれ、考案者名を本文で追う手続にはなっていません。手続が書くのは若干名への委嘱と、二ないし五案、意味と典拠の説明までで、案の集まり方はここに尽きます。人数の上限下限を細かく並べず、おおよそ二ないし五、という幅で求める書き方です。
考案のあとに整理があり、その先に原案の選定が続きます。いまの段で押さえるのは、誰かに委嘱して案と説明を集める、という入口だけです。総理が選び、若干名が考え、二ないし五案に意味と典拠が付く、という流れです。昭和五十九年と昭和六十四年の一部改正のあとも、この考案の型は同じ位置にあり、入口の書き方は変わっていません。名前当てではなく、委嘱の型を見る話です。
次は、原案について意見を聞く段です。
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