しめ縄はいつから飾るか

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お正月の本 第1章

しめ縄やしめ飾りは、玄関や部屋などに飾る正月の飾りです。国際交流基金の日本語教育向けの資料では、しめ飾りも門松も、年神という神様を呼ぶためのものと考えられていると紹介されています。同じ資料は、玄関に門松を立てている家はそれほど多くない、とも書いています。

しめ飾りには、魔よけの意味を込める土地もあります。伊勢志摩国立公園のパークボランティアの活動を伝えた環境省のブログでは、しめ飾りは、ここが神域や善い人の家だと魔物に示して、寄せつけないための印だと説明されています。

では、いつから飾ればよいのでしょうか。先に結論を言うと、今回確かめた資料には、しめ縄だけについて飾り始めの日を定めた記述は見当たりませんでした。手がかりになるのは、同じく年神を迎える飾りとされる門松についての記述です。

徳島県立博物館のQ&Aは、年の暮れに山から生木を伐ってきて立てて飾る習わしが、古くから全国の広い地域で行われてきたと解説しています。こうした儀式は「松迎え」などと呼ばれるそうです。

伐ってきた木は、年神や年徳神と呼ばれる神が降りる依代とされます。この神は正月が近くなると高い所から下りてきて、幸いを授けてくれると考えられてきました。農耕の神や先祖の霊とも重なる性格があり、どういう神なのかは一通りには解釈されていないようです。

日付の例もあります。同じQ&Aによると、徳島県の牟岐町では、12月20日に男子が山へ入り、松やうらじろ、椎の木などの「お迎えもん」をとってくる風習がありました。とってきたものは前庭にさしたり、納屋や井戸、臼、持ち船に飾ったりしたそうです。

環境省中国四国地方環境事務所のブログには、ミニ門松づくりの体験教室の記事があります。そこでは、門松を飾る期間は12月13日から1月7日までとされ、飾り始めに12月29日と31日は選ばないほうがよい、と紹介されています。

理由として挙げられているのは語呂と慌ただしさです。29日は「二重苦」や「苦松」に通じ、31日は「一夜飾り」「一日飾り」となって、歳神様を迎えるのに慌ただしくてよくないそうだ、という書き方です。これは門松についての言い伝えとして紹介されたもので、決まりとして定められた日ではありません。

しめ飾りの扱いは、地域によっても違います。先ほどの伊勢志摩のブログによると、この地域では一年中しめ飾りを玄関などに飾る風習があるそうです。材料には、わらのほかに、ダイダイ・アセビ・ユズリハ・ヒイラギ・ウラジロ、半紙で作るシデなどが使われています。

門松についても、徳島県立博物館は、松を使わずに楢や朴、栗、榊などの木を立てる風習が各地にあると紹介しています。言い伝えで桧しか使わない決まりのある家もあるそうです。

外す日も一律ではありません。国立国会図書館のレファレンス協同データベースにある江戸東京博物館の回答では、門松を外す日は所によって違うとしています。早いところで1月4日、ほかに1月7日や15日に外すことが多いようだ、という説明です。

江戸・東京では、昔は15日に納めていた、今は7日(または6日)が普通だ、と記した本が多いとも紹介されています。外したあとの扱いは、別の章で取り上げます。

年末の準備そのものを指す言葉もあります。江戸川区の文化財のページは、お正月の準備をすることを「正月仕舞い」と呼ぶと紹介し、古民家でのしめ飾りづくりを案内しています。

しめ縄をいつ飾るかに迷ったら、住んでいる地域の慣わしや、近くの神社の案内を確かめるのが確実です。門松で伝わる目安を参考にする場合も、言い伝えであることを踏まえて読むとよいでしょう。次の章では、鏡餅はいつから飾るかを整理します。

参考:国際交流基金『日本語教育通信』「写真で見る日本人の生活 正月」/徳島県立博物館「Q.お正月に門松を立てるのはなぜですか?」/国立国会図書館 レファレンス協同データベース「門松はいつ片づけるか。」(江戸東京博物館)/環境省 中国四国地方環境事務所「【体験教室】ミニ門松づくり」/環境省 中部地方環境事務所「しめ飾り」/江戸川区「正月仕舞い しめ飾りづくり」

次の章:鏡餅はいつから飾るか

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