国民の休日の本 第3章
国民の祝日が日曜日に当たると、その日のあとに休日がひとつ増えます。祝日法第3条第2項の仕組みです。条文の要点は、日曜に当たった国民の祝日のあとで、祝日でない日のうちいちばん近い日を休日にする、というものです。通称で「振替休日」と呼ばれます。
内閣府の説明でも、いわゆる振替休日という呼び方が使われます。法律の本文に「振替休日」という語はありません。通称であり、条文は「休日とする」とだけ書きます。第1章の通称「国民の休日」と同じく、固有名称は法律本文にありません。
カレンダーに祝日名がなく「休日」とだけ並ぶ日のひとつが、この第3条第2項の休日です。職場の就業上の振替や代休とは別の制度です。日曜に重なった祝日を後ろの平日へずらす、暦の仕組みです。
通常は翌日の月曜日が休日になります。翌日以降も国民の祝日が続く場合は、祝日でない最初の日までずれます。憲法記念日(5月3日)・みどりの日(5月4日)・こどもの日(5月5日)が続くときは、そのいずれかが日曜日に当たると6日が休日になります。日曜が祝日名を持つ日でも、あとに平日の休日が付くことがあります。名前のない「休日」行として、年次表に並びます。
令和元年(2019年)の例では、5月5日のこどもの日が日曜日で、6日月曜日が休日でした。令和8年(2026年)の年次表でも、5月6日が第3条第2項による休日です。5月3日から5日の連なりのなかで、日曜に重なった祝日のあとを補う形です。翌日以降が祝日ならさらに後ろへずれます。2009年は5月3日が日曜で、6日が休日になった例です。
祝日が土曜日に当たっても、振替休日はありません。条文が「日曜日に当たるとき」に限っているためです。土曜に重なっても、翌平日へずらす仕組みにはなりません。日曜専用の条項です。土曜の祝日は、振替の対象外です。
この規定は、昭和48年に祝日法へ入りました。当初は翌日を休日とする書き方でしたが、いまは祝日のあとで祝日でない日のうちいちばん近い日へずらす、という現行の仕組みです。日曜と祝日の両方を、平常の勤務から離れた日として確保する趣旨です。いまのカレンダーで見る休日の位置も、この現行のずれ方に従います。
第3条第3項は別の条項です。前日と翌日を国民の祝日に挟まれた平日を休日にする仕組みで、通称は国民の休日です。日曜に重なった祝日を後ろへずらす第3条第2項とは役割が違います。
第1章・第2章で扱ったのは第3項側です。挟まれ方の休日と、日曜重なりの休日は、同じ「休日」欄でも根拠の項が違います。カレンダーの「休日」だけを見ると、どちらの条項かまでは分かりません。
次の章では、一部の祝日を特定の月曜日へ移す仕組みを見ていきます。
参考:内閣府「国民の祝日について」/e-Gov「国民の祝日に関する法律」/政府広報オンライン「2026年の祝日は?」/国立天文台「国民の祝日と休日」
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