国民の休日の本 第2章
通称「国民の休日」の制度は、昭和60年(1985年)の祝日法改正から始まります。同年12月27日に公布された法律第103号(祝日法の一部改正)が、第3条に第3項を加えました。附則には、この法律は公布の日から施行する、とあります。公布日と条文は制定法律の記録にも残っています。制度の起点は、この公布・施行の日です。
当時加わった第3項の中身は次のとおりです。その前日及び翌日が国民の祝日である日は休日とする。ただし日曜日と、第3条第2項の休日に当たる日は除く、という書き方でした。前後を国民の祝日に挟まれた平日が休みになる仕組みが、この改正で初めて条文に入りました。除外の書き方は後の改正で変わっていますが、制度の開始は昭和60年です。
通称の国民の休日は、この条項の休日を指します。法律本文に「国民の休日」という固有名称はありません。第1章で触れたとおり、条文は「休日とする」とだけ書きます。名称は通称で、中身は第3条第3項です。
憲法記念日(5月3日)とこどもの日(5月5日)に挟まれる5月4日を休日にし、連休をつくるためでした。祝日名のないすきまの平日を休みにする条項として、まず5月向けに置かれました。昭和60年改正の目的は、その連休づくりにあります。国立天文台の解説も、この5月の連休づくりを経緯として挙げています。
のちの改正で、5月4日の位置づけは変わります。平成17年に祝日法が改正され、平成19年(2007年)以降は4月29日が昭和の日、5月4日が「みどりの日」という国民の祝日です。それ以前の5月4日は、祝日法の規定による休日でした。みどりの日以降、同日は祝日名を持つ日です。通称の国民の休日ではなくなりました。
それでも第3条第3項そのものは残りました。挟まれた平日を休日にするルールは、別の月でも使えます。国立天文台によると、2009年9月に史上初めて5月4日以外へこの条項が適用されました。敬老の日と秋分の日に挟まれた平日が、その最初の例です。
敬老の日と秋分の日のあいだの平日が対象です。月曜指定で動く敬老の日と、秋分日で動く秋分の日のあいだが1日だけ空く年に現れます。片側だけが祝日では、この条項の休日にはなりません。
いまの典型も、その9月型です。令和8年(2026年)の年次表では、9月22日が第3条第3項による休日です。敬老の日が9月21日、秋分の日が9月23日で、あいだの平日が休みになります。毎年同じ日付で来るわけではなく、条件がそろう年だけ現れます。いつから始まったかといえば、昭和60年12月27日の公布・施行からです。
次の章では、日曜日に重なった祝日のあとに置かれる休日を見ていきます。
参考:衆議院「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律(昭和60年法律第103号)」/国立天文台「国民の祝日と休日」/政府広報オンライン「2026年の祝日は?」/内閣府「国民の祝日について」
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