貨幣は一回の支払いで二十枚まで

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造幣局で作ってもまだお金ではない 第5章

第4章では、通常貨幣の素材と寸法を六種類の表から順番にたどってきました。では、その貨幣は、支払いの場面でどこまで法貨として通用するのでしょうか。

いわゆる通貨法の第7条と、造幣局の貨幣Q&Aが示す通用限度を、条文と公式の説明に沿って、順に読んでいきます。章題の一回の支払いで二十枚までは、この通用限度の読み方を指しています。額面の二十倍という枠から入り、造幣局の説明を挟み、銀行券の無制限通用との対比までを順に並べます。第1章の製造と発行、第2章の二系統の先に、この通用の枠があります。

第7条は、貨幣は額面価格の二十倍までを限り法貨として通用する、と定めています。額面の二十倍とは、同じ貨種を二十枚まで数える、という読み方です。一円なら二十円分、百円なら二千円分、五百円なら一万円分までが、法貨としての通用の枠になります。

造幣局のQ&Aも、第7条により二十枚を限度として使える、と整理しています。一貨種につき原則二十枚まで、という数字が、この章の中核です。

造幣局の貨幣Q&Aは、その範囲の意味を、公式の言葉でごく短く書いています。一貨種につき二十枚までの支払いは、受取りを拒めない、という説明です。

理由としては、貨幣は小額の取引に向く一方、量が多くなると保管や計算に手間がかかるため、一回の取引で大量に受け取ると受領側が不便になり取引の効率を損ないかねない、という整理です。条文の限度は、受領側の手数を踏まえた公式の説明と並んでいます。

一方、日本銀行券の側では、通用の枠そのものの形が違います。日本銀行法第46条は、日本銀行は銀行券を発行する、と定めます。同条第2項は、その銀行券は法貨として無制限に通用する、としています。

貨幣には額面の二十倍という限度があり、銀行券には無制限という対比があります。同じ現金でも、硬貨にあたる貨幣とお札にあたる銀行券では、法貨としての通用の広さがはっきり分かれるのです。

法貨としての通用限度は額面の二十倍であり、一貨種につき原則二十枚です。造幣局が示す拒否できない範囲とその理由、銀行券の無制限通用という三点までが、この章の範囲です。この章では、条文と公式解説の紹介にとどめます。

第4章で見た六貨種の貨幣も、支払いの場では、この二十枚までの枠のなかに置かれます。貨幣と銀行券の通用の差は、発行の系統の違いに続く現金の二系統の姿として、ここにも現れます。

次の章では、現金以外の残高が数字のどこを占めるかを見ていきます。

参考:e-Gov「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第7条/造幣局「貨幣Q&A」/e-Gov「日本銀行法」第46条

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