都道府県の字は例外で名簿に入った

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常用漢字から消えた五文字 第3章

第2章では、改定で名簿から消えた勺・錘・銑・脹・匁の5字を見ました。この章では、名簿に入った側のうち、都道府県名の例外を見ます。

常用漢字表は固有名詞をどこまで扱うのか、という問いが次の焦点になります。消えた字の一覧は前の章で確かめたので、ここでは入った側の例外だけを告示と答申の資料に沿って追います。字数の増減自体は第1章で見たとおりです。

文化庁が公開する常用漢字表PDFの前書き第3項は、次のように記しています。この表は、都道府県名に使う漢字とそれに準じる漢字を除き、固有名詞を対象としない、という文言です。

原則として固有名詞は対象外です。都道府県名に用いる漢字とその準じる字だけが、その原則から外れる例外だと読めます。告示の前書きが名簿の入り口に線を引いている、というのがここでの要点になります。

例外として追加された都道府県名の漢字は、岡・阪・熊・鹿・梨・阜・茨・媛・埼・奈・栃の11字です。準じる漢字は、畿・韓の2字です。

文部科学省の「文化審議会答申『改定常用漢字表』について」に、その一覧が並んでいます。専ら固有名詞を書くのに使う漢字は対象外として足さないが、都道府県名に用いる漢字及びこれに準じる漢字は例外として足す、と資料は書いています。

顔ぶれは11字と2字に限られ、文化審議会の答申も、都道府県名に使う漢字とその準じる漢字を例外とする、と同趣旨を書いています。

現行の常用漢字表の本表を照合すると、これらの字は掲げられています。大阪の「阪」、埼玉の「埼」などが表に載った、という地名の話として、名簿の入り口を確かめられます。

岡・阜・茨・媛・奈・栃も都道府県名に用いる漢字として同じ例外の側に並び、熊・鹿・梨もその顔ぶれに含まれます。畿・韓は準じる漢字として並びます。

答申には、固有名詞専用字として長く外されてきた「阪」や「岡」等、という言い方も残っています。現行本表に載っている、という照合は、名簿に入った事実をいまの表で確かめる作業です。

原則は固有名詞を対象としない、という立て方です。そのうえで都道府県関連だけが例外で名簿に入った、という対比が資料に残っています。

固有名詞全般を広げて入れたわけではなく、都道府県名とその準じる字に範囲を限った、というのが改定の書き方です。入った字の一覧と前書きの例外の一文を突き合わせると、名簿の出入りの線が見えます。

第2章で見た退場とこの章で見る例外の入場は、どちらも告示と答申の言葉で追える出入りです。この章のまとめは、例外で入った側を資料の文言どおりに確かめた、という一点に置きます。

次の章では、読み取りの都合から名簿に入った字の例を見ていきます。

参考:文化庁「常用漢字表」PDF/文部科学省「文化審議会答申『改定常用漢字表』について」/文化審議会「改定常用漢字表」答申

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