お正月の本 第7章
第6章では鏡開きと鏡餅の下げ方を見ました。最後の章では、外した正月飾りの片づけ方と、どんど焼きを資料からたどります。
正月飾りの片づけ方は、土地の行事とごみの出し方の両方に関わります。佐賀県の案内によると、野外でごみを燃やすいわゆる野焼きは、煙や悪臭、有害物質が出るおそれがあります。そのため廃棄物処理法で一部の例外を除いて禁じられており、違反には罰則もあるとされています。
同じ案内は、野焼きが大きな林野火災につながるおそれにも触れています。県が見回りや通報をもとに現場を確かめ、違法な野焼きを指導していることも書かれています。
では、どんど焼きはなぜ行えるのでしょうか。廃棄物処理法施行令の第14条は、焼却禁止の例外となる焼却をいくつか挙げています。その一つが、風俗慣習上や宗教上の行事を行うのに必要な廃棄物の焼却です。
佐賀県の案内は、この例外の例として、どんど焼きのような地域の行事で不要になった門松やしめ縄などを燃やすことを挙げています。これは地域の行事として行う焼却の例です。家で正月飾りを燃やしてよいという説明ではありません。
同じ案内は、小さな焼却であっても煙や悪臭で周りから苦情があれば指導の対象になると注意しています。この章では、家で燃やす方法は扱いません。
どんど焼きは、呼び名も日取りも土地によって違う行事です。第5章で見た江戸東京博物館の回答は、外した門松は「どんど」で焼かれるのが一般的だとしています。その日は1月7日や小正月(1月14日・15日)だと紹介されています。
文化遺産オンラインは、重要無形民俗文化財の「大磯の左義長」を小正月の火祭りとして紹介しています。指定当時の解説では、14日の朝に海岸へ「サイト」を立て、夜に燃やすとされています。
同じページの公開日は、今は毎年1月の第三土曜日と書かれており、指定当時は1月14日だったと添えられています。同じ行事でも日取りが変わることがあるとわかります。
地域のどんど焼きに飾りを持って行くときは、その年に行事があるか、受け付けがあるか、何を持ち込めるかを主催する側の案内で確かめる必要があります。県の案内が挙げているのも、行事で不要になった門松やしめ縄などです。行事と関係のないごみまで燃やしてよいという説明ではありません。
地域の行事に出さない場合は、家庭のごみとして出すことになります。どの区分でいつ出すかは市区町村ごとに違うため、住んでいる自治体のごみの出し方の案内で確かめてください。
この本では、しめ縄や鏡餅の飾り始めから、年越しそばと初詣、松の内と鏡開き、飾りの片づけまでを見てきました。どの章でも日取りには土地による幅があり、公的な案内と住んでいる地域の慣習をあわせて確かめるのが確実です。
参考:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」第14条/佐賀県「廃棄物の野外焼却は禁止されています」/文化遺産オンライン「大磯の左義長」/国立国会図書館 レファレンス協同データベース「門松はいつ片づけるか。」(江戸東京博物館)
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