第4章では、学校の4月が会計年度の後を追うようにそろっていった流れを見ました。役所の帳簿も教室の一年も、今では4月から3月までが区切りです。では、会社の決算も国の年度に合わせなければならないのでしょうか。この章では、そのことを二つの条文で確かめます。
まず国の側です。財政法第11条は、国の会計年度を毎年4月1日に始まって翌年3月31日に終わるものとしています。国の一年は、この条文で4月から3月に決まっています。
会社の側の区切りを扱うのは、別の法律です。法人税法第13条は、この法律でいう「事業年度」の意味を定めています。
条文によると、事業年度とは法人の財産と損益を計算する単位となる期間のことです。条文はこの期間を「会計期間」と呼んでいます。
その会計期間として条文が挙げるのは、まず法令で定めるものです。次に、法人の定款や寄附行為、規則、規約などに定めるものです。条文はこれらをまとめて「定款等」と呼んでいます。
つまり、定款等に会計期間を書いている会社では、その期間が法人税法上の事業年度になります。第13条には、それを国の会計年度にそろえなければならないという文言はありません。
法令にも定款等にも会計期間の定めがない法人については、第13条の第2項から第4項に手順があります。第2項によると、そうした法人は設立の日などから2か月以内に会計期間を決め、納税地を受け持つ税務署長に届け出る必要があります。
届け出がない場合は、第3項により税務署長が会計期間を指定し、書面でその法人に知らせます。ただし人格のない社団等はこの指定の対象から外れ、第4項によりその年の1月1日から12月31日までが会計期間とされます。
期間の長さにも決まりがあります。第1項のただし書きによると、会計期間が1年を超える場合は、始まりの日から1年ごとに区切ったそれぞれの期間が事業年度になります。最後に1年に満たない期間が残れば、その期間が一つの事業年度です。
二つの条文を並べると、国の一年は財政法が4月から3月と決めています。一方で法人税法は、法令や定款等に定めた会計期間を事業年度として扱い、定めがなければ届け出や指定で決まるとしています。少なくともこの二つの条文には、会社の決算月を国の年度に合わせよという決まりは見当たりません。
国の年度が4月始まりでも、会社の帳簿の区切りは別の条文の上で決まっているのです。では実際に三月で締める会社はどれくらいか。次の章で、その分布を見ていきます。
参考:e-Gov法令検索「財政法」第11条/e-Gov法令検索「法人税法」第13条
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