三月決算の会社は五社に一社もない

執筆者:

カテゴリ:

約3分で読めます

四月始まりの年度は赤字の帳尻合わせだった 第6章

第5章では、法人税法の事業年度が定款等に定めた会計期間によることを見ました。条文には、国の会計年度に合わせよという決まりは見当たりませんでした。

では実際に三月で締める会社はどれくらいあるのでしょうか。この章では、国税庁の統計で決算の月の分布を確かめます。

使うのは、国税庁の統計年報令和6年度にある「決算期別の普通法人数及び通算法人数」の表です。対象は、令和6年4月1日から令和7年3月31日までに事業年度が終わった内国普通法人と通算法人です。内国普通法人には、会社等と企業組合と医療法人が含まれます。

表は、申告や処理の記録をまとめた法人税事務整理表をもとに作られています。数は社数で、金額は百万円単位です。対象の期間は、ちょうど国の会計年度と同じ4月から翌年3月までにあたります。

表には、年1回決算のほかに年2回決算と「その他」の欄があります。年2回決算は22,251社、「その他」は533社です。この章の割合は、この二つを除いた年1回決算の3,002,815社を分母にして計算しています。

年1回決算の法人のうち、3月決算は535,064社でした。割合にすると17.8%で、五社に一社にも届きません。裏返せば、年1回決算の法人の82.2%は3月以外の月に決算しています。

3月に次いで多いのは9月の329,243社(11.0%)で、その次が12月の317,140社(10.6%)です。3月はもっとも多い月ですが、法人の数でみれば少数派です。

ところが、所得金額でみると様子が変わります。表によると、3月決算の所得金額は63,075,567百万円で、およそ63兆円です。年1回決算の合計99,006,762百万円のうち、63.7%を3月決算が占めています。

法人の数では2割に満たない3月決算が、所得金額では6割を超えています。数で数えるか金額で測るかで、3月の重みは大きく違って見えます。

資本金の大きさで分けた欄でも、同じ傾きが出ます。資本金1億円以上の法人では、35,813社のうち19,375社が3月決算で54.1%です。資本金100億円を超える法人では、1,454社のうち1,061社で73.0%になります。

これに対して資本金1億円未満の法人では、2,967,002社のうち3月決算は515,689社で17.4%です。表から読み取れるのは、資本金の大きい法人ほど3月決算の割合が高いということです。

この本は、国の会計年度が明治の財政のやりくりの中で4月始まりになったいきさつから始まりました。学校の新年度もそれに合わせる形で4月にそろい、今の財政法も国の一年を4月から3月と定めています。

けれども、会社の決算月まで同じではありませんでした。年1回決算の法人のうち8割を超えるところが、3月以外の月に一年を締めています。年度は4月からという当たり前は、役所と学校の暦では条文や公文書に裏づけられた形ですが、会社の数でみれば多数派の姿ではないのです。

参考:国税庁 統計年報 令和6年度「4-2 法人数(1)決算期別の普通法人数及び通算法人数」/国立公文書館「あの日の公文書」『国立公文書館ニュース』Vol.17

前の章:会社の決算月は会社が決めてよい

ほかのビジネス