防火管理者 必要な建物

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防火管理者の本 第3章

『防火管理者の本』の目次:防火管理者の本

消防法第8条第1項は、防火管理者を置く防火対象物を「政令で定めるもの」としている。その中身を書いたのが、消防法施行令第1条の2第3項だ。同項は三つの号に分かれ、第1号が別表第一の防火対象物、第2号が新築の工事中の建築物、第3号が建造中の旅客船を扱う。第1号は、別表第一から(十六の三)項と(十八)項から(二十)項までを除いている。

線を引く物差しは収容人員だ。第1号イは、防火対象物に「出入し、勤務し、又は居住する者の数」を収容人員と呼ぶ。人数の基準は、用途のまとまりによって三段に分かれる(令第1条の2第3項第1号、2026年10月時点)。

  1. イ:(六)項ロと、(六)項ロの用途の部分がある(十六)項イ・(十六の二)項は、収容人員十人以上
  2. ロ:(一)項から(四)項・(五)項イ・(六)項イ、ハ及びニ・(九)項イと、(六)項ロの用途の部分がない(十六)項イ・(十六の二)項は、収容人員三十人以上
  3. ハ:(五)項ロ・(七)項・(八)項・(九)項ロ・(十)項から(十五)項・(十六)項ロ・(十七)項は、収容人員五十人以上

いちばん少ない人数で対象になる(六)項ロには、別表第一で老人短期入所施設や乳児院、障害児入所施設などが並ぶ。その中には「避難が困難な」人を主として入居させるものに限る、という書き方の施設もある。

第2号は、新築の工事中の建築物で収容人員が五十人以上のもののうち、総務省令で定めるものだ。規模は三つで、地階を除く階数が十一以上かつ延べ面積が一万平方メートル以上、延べ面積が五万平方メートル以上、地階の床面積の合計が五千平方メートル以上とされる(令第1条の2第3項第2号、2026年10月時点)。施行規則第1条の2は、外壁と床又は屋根のある部分がこの規模以上で、電気工事等の工事中のものとしている。第3号は、収容人員が五十人以上で甲板数が十一以上の建造中の旅客船で(令第1条の2第3項第3号、2026年10月時点)、規則では進水後のぎ装中のものとされる。

収容人員の数え方について、施行令第1条の2第4項は総務省令に任せている。これを受けた施行規則第1条の3は、別表第一の項ごとに算定方法を表にしている。(一)項は従業者の数に、客席の数を合算する。固定式のいす席はいす席の数に対応する数で、立見席は床面積を〇・二平方メートルで割った数だ(規則第1条の3第1項、2026年10月時点)。(四)項は従業者の数に、主に従業者以外の人が使う部分の床面積を割った数を足す。割る面積は、飲食や休憩の部分が三平方メートル、その他の部分が四平方メートルだ(規則第1条の3第1項、2026年10月時点)。(五)項ロは居住者の数、(七)項は教職員と児童、生徒又は学生の数で数える。

同じ条の第2項は、(十六)項と(十六の二)項について、用途ごとの部分をそれぞれ一つの防火対象物とみなして数え、その収容人員を合算するとしている。また施行令第2条は、管理の権原を持つ者が同じである別表第一の防火対象物が同じ敷地に二つ以上あるとき、消防法第8条第1項の適用では一つの防火対象物とみなす。

対象になった防火対象物のうち、どの資格の防火管理者を置くかは、施行令第3条が延べ面積も使って分けている。その区分は第4章で扱う。

防火管理者を置く防火対象物は、別表第一の用途のまとまりと収容人員の組み合わせで決まる。収容人員は規則が項ごとに定めた方法で数え、工事中の建築物と旅客船は別の号が規模で定めている。

参考:e-Gov法令検索「消防法」/e-Gov法令検索「消防法施行令」/e-Gov法令検索「消防法施行規則」

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