防火管理者の本 第8章
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消防法第8条第2項は、管理について権原を有する者が防火管理者を定めたとき、遅滞なくその旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならないとする。これを解任したときも同様だ。届け出るのは防火管理者本人ではなく、防火管理者を定めた側になる。
同項は「遅滞なく」と書き、日数で区切った期限は置いていない。日数で定めた期間の数え方は民法第138条以下に共通の決まりがある(期限の数え方の本)が、この届出の条文には日数の期間がない。
届出の書式は、施行規則第3条の2第1項が定める。選任と解任のどちらの届出も、別記様式第一号の二の二による届出書によってしなければならない(規則第3条の2第1項、2026年10月時点)。同条第2項は、選任の届出書に防火管理者の資格を証する書面を添えるとしている。ここでいう資格は、令第3条第1項の各号で、第5章の講習の修了や、第4章で見た学歴と実務経験などがこれにあたる。
届け出る相手は所轄消防長又は消防署長で、施行規則第3条第1項は、「所轄消防長」に「消防本部を置かない市町村においては、市町村長」とする括弧書きを付け、以下同じとしている。第7章の消防計画も同じ相手に届け出るが、規則第3条の別記様式第一号の二による別の届出書を使う。
防火管理者が定められていないとき、消防長又は消防署長は、権原を有する者に防火管理者を定めるべきことを命ずることができる(法第8条第3項)。この命令をしたときは、標識の設置などの方法でその旨を公示する(同条第5項が準用する法第5条第3項)。第6章で見た平成16年4月27日付けの消防庁の通知(消防安第68号)は、期限内に再講習を修了していない防火管理者について、未選任の状態になると説明していた。
資格を持つ人でも、防火管理上必要な業務を適切に遂行できる管理的又は監督的な地位にあることが前提になる(令第3条第1項)。ただし共同住宅などで、その地位にある人のいずれもが遠隔の地に勤務していることなどの事由により、防火管理上必要な業務を適切に遂行することができないと消防長又は消防署長が認めるものは扱いが変わる。施行令第3条第2項は、必要な権限と知識を持つ人として総務省令の要件を満たすものと読み替えている。
統括防火管理者についても同じ形の規定がある。権原を有する者は、統括防火管理者を定めたとき遅滞なく届け出て、解任したときも同様とされる(法第8条の2第4項)。届出書は別記様式第一号の二の二の二の二で、選任の届出には資格を証する書面を添える(規則第4条の2)。
事業場ごとに管理者を選んで届け出る形は、労働安全衛生法の衛生管理者 選任にもある。
防火管理者は、講習の修了などで資格を得た人が、防火対象物ごとに権原を有する者から定められる。定めた側が消防長又は消防署長に届け出て、その人が消防計画を作り、計画に基づいて訓練や点検を行う。消防法第8条と施行令、施行規則は、この流れを順に定めている。
参考:e-Gov法令検索「消防法」/e-Gov法令検索「消防法施行令」/e-Gov法令検索「消防法施行規則」/e-Gov法令検索「民法」