防火管理者の本 第2章
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防火対象物は、消防法第2条第2項が定める言葉だ。条文は「山林又は舟車、船きよ若しくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物若しくはこれらに属する物」と書く。建物だけでなく、山林や舟車、つながれた船も入る。
同じ条の第3項には、消防対象物という似た言葉がある。並ぶ語はほぼ同じで、違うのは最後だ。防火対象物は「若しくはこれらに属する物」で終わり、消防対象物は「又は物件」で終わる。消防対象物は、建築物などに属するかどうかを問わず物件を並べた書き方になっている。第4項の関係者は、どちらについても「所有者、管理者又は占有者」をいう。
第8条の防火管理者は、防火対象物のうち政令で定めるものに置かれる。その用途を分けているのが、消防法施行令の別表第一だ。別表は(一)項から(二十)項までを立て、多くの項をイやロに分けている。
並び方を見ると、(一)項イは「劇場、映画館、演芸場又は観覧場」で、ロは「公会堂又は集会場」。(三)項ロは「飲食店」、(四)項は「百貨店、マーケツトその他の物品販売業を営む店舗又は展示場」だ。(五)項はイが旅館やホテル、ロが「寄宿舎、下宿又は共同住宅」に分かれる。(六)項は病院や社会福祉施設、幼稚園などをイからニに分けている。(七)項は学校など、(十二)項イは工場又は作業場で、(十五)項は「前各項に該当しない事業場」とされる。
二つ以上の用途に使われる防火対象物は、第8条第1項にいう複合用途防火対象物になる。施行令第1条の2第2項は、異なる二以上の用途のうちに(一)項から(十五)項までの用途が含まれる場合を、この二以上の用途とする。ある用途の部分が、権原や利用形態などから他の用途の従属的な部分と認められるときは、その用途は他の用途に含まれる。
別表では、複合用途防火対象物は(十六)項にまとめられる。イは「その一部が(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項又は(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているもの」で、ロはそれ以外だ。
そのあとに、建物の用途とは別の項が続く。(十六の二)項は地下街で、(十六の三)項は地下道に面した建築物の地階と地下道を合わせたもので、(一)項から(四)項までなどの用途に使われる部分があるものに限られる。(十七)項は重要文化財などに指定された建造物だ。(十八)項は延長五十メートル以上のアーケード(別表第一(十八)項、2026年10月時点)で、(十九)項は市町村長の指定する山林、(二十)項は総務省令で定める舟車になっている。
消防法には、特定防火対象物という言葉もある。第17条の2の5第2項第4号は、百貨店、旅館、病院、地下街、政令で定める複合用途防火対象物と、そのほか「多数の者が出入するものとして政令で定めるもの」をまとめてこう呼ぶ。施行令第34条の4は、複合用途防火対象物のうち(十六)項イをこれに当て、ほかに「別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ及び(十六の三)項に掲げる防火対象物のうち、百貨店、旅館及び病院以外のもの」を定めている。この条文は、消防用設備等の基準の適用について定めたものだ。
防火管理者を置く防火対象物は、施行令第1条の2第3項が別表第一の項を挙げて定めている。同項は(十六の三)項と(十八)項から(二十)項までを対象から外し、残りの項をいくつかのまとまりに分けて、それぞれに収容人員の基準を付けている。防火管理の制度では、別表第一の項が、どの建物に防火管理者を置くかを決める区分として使われている。
参考:e-Gov法令検索「消防法」/e-Gov法令検索「消防法施行令」
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