最低賃金 罰則

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最低賃金の本 第4章

第3章で見た確認の先に、下回ったときの扱いがあります。罰則の額は、地域別か特定かで分かれます。厚生労働省の「最低賃金制度とは」でも、その二本立てです。特設サイトのケース説明も、同じ金額の並びです。第3章の換算で下回ると判定したあとに、この区分が効いてきます。

地域別の額以上を支払わないときは、最低賃金法側に50万円以下の罰金があります。特定(産業別)の額以上を支払わないときは、労働基準法側に30万円以下の罰金があります。条文で見ると、地域別については最低賃金法40条が対応します。特定の不払は、最低賃金法上の罰則ではなく労働基準法側の罰金、という整理です。

特定が適用される労働者でも、支払額が地域別まで下回れば、最低賃金法の50万円以下の罰金の対象になり得ます。特定の額と地域別の額のあいだに収まる場合は、労働基準法の30万円以下の罰金の側です。大阪労働局の罰則ページは、前者を法40条、後者を労働基準法120条として分けています。地域別を下回るかどうかが、どちらの罰金に寄る分岐になります。

数字の具体例も同ページにありますが、区分の読み方が先です。金額そのものより、どちらの条文に寄るかが先に決まります。地域別と特定の両方がかかるときは高い方の額が基準になり、その下回り方で罰則側の条文も変わります。

民事の側は、罰則とは別に動きます。最低賃金額より低い賃金を双方の合意で決めても、法律で無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。これは最低賃金法4条2項の趣旨です。未満しか払っていなければ、使用者は差額を支払わなければなりません。合意があるから足りる、という読み方は通りません。

第1章で触れた無効の扱いが、罰則の手前でも同じです。罰則を受けたかどうかと、差額を払う義務は別の話です。刑事の罰金があっても、民事の差額支払が消えるわけではありません。逆に、差額を後から払ったから罰則の説明が要らなくなる、という単純な話でもありません。

不足分の精算と、罰則の適用は別の手続きです。どちらが先に動くかは、事案ごとの確認になります。

法人の代表者や従業者などが法人の業務に関して違反をしたときは、行為者を罰するほか、その法人にも各本条の罰金刑を科する、という両罰の定めがあります(最低賃金法42条)。問い合わせ先は、都道府県労働局または最寄りの労働基準監督署です。厚労省の制度ページも、詳しくはそこに問い合わせるよう案内しています。特設サイト末尾の問い合わせ案内も同じです。個別の事案の当てはめは、そこで確認します。

次は、地域別とは別枠で産業側に置かれる下限の話です。

参考:厚生労働省「最低賃金制度とは」/最低賃金特設サイト「あなたの賃金を比較チェック」/大阪労働局「最低賃金法の違反の罰則について」/e-Gov「最低賃金法」

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