最低賃金 除外

執筆者:

カテゴリ:

約2分で読めます

最低賃金の本 第6章

第3章の換算で先に触れたとおり、手元の給与明細の合計をそのまま時間額にするわけではありません。対象になるのは、毎月支払われる基本的な賃金に限られます。実際に支払われる賃金から、次の賃金を除いたものが比較の相手になります。厚生労働省の「最低賃金の対象となる賃金」に並ぶ公式の除外です。

FAQも同じ六類型を掲げています。文言の細かな違いはほぼなく、六つで閉じます。第3章の換算は、この除外後の額を時間額に直す作業です。特設サイトも同じ六つを「対象とならない賃金」に並べています。

  1. (1)臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  2. (2)1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. (3)所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  4. (4)所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  5. (5)午後10時〜午前5時の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  6. (6)精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

残業代やボーナスは含まれない、という注意も特設にあります。深夜の扱いは、深夜帯の賃金そのものではなく、通常の計算額を超える部分だけが除外です。通常分は対象側に残ります。休日も、休日労働そのものの全部ではなく、休日割増にあたる部分が(4)側です。

手当の名前が会社ごとに違っても、公式の類型に当てはまるかが先です。通勤手当と書かれていれば(6)側です。賞与や年1回の特別手当は(1)か(2)側に寄ります。時間外・休日の割増は(3)(4)です。基本給や職務手当のように毎月の基本的な賃金は、除外リストになければ対象側に残ります。

民間の自動計算機や表計算ファイルへは誘導しません。第3章の式に戻す前に、この除外を済ませます。概要ページも、割増賃金や精皆勤・通勤・家族手当などを除いたものが対象だとあります。明細の合計が大きい月でも、除外後の額が薄いことがある、というのが特設のケースの趣旨です。

ここでいう除外は、最低賃金そのものを下げてもよい許可の話ではありません。試用期間や能力などに関する減額の特例は、別の許可制度です。対象賃金から何を除くか、という話とは別物です。減額の特例の要件や手続きまでは立ち入りません。

詳しい当てはめは、都道府県労働局または最寄りの労働基準監督署に確認します。手当の呼称だけで決めつけず、支給の実態を類型に当てます。

次は、改定後の額が効き始める日の話です。

参考:厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」/最低賃金特設サイト「対象となる賃金は?」/厚生労働省FAQ/厚生労働省「最低賃金制度の概要」

前の章:特定最低賃金とは

次の章:最低賃金 いつから

ほかのビジネス