国民の休日の本 第1章
カレンダーに祝日の名前がなく、欄に「休日」とだけ並ぶ日があります。いわゆる「国民の休日」です。法律の本文を読んでも、「国民の休日」という固有の名称はありません。国民の祝日に関する法律(祝日法)第3条第3項が定める「休日」を、通称でそう呼んでいます。
第3条第3項の中身は次のとおりです。その前日及び翌日が国民の祝日である日で、その日自身は国民の祝日でない日は、休日とする。前後を国民の祝日に挟まれた平日が休みになる、という仕組みです。祝日そのものではなく、挟まれ方で生まれるすきまの休日です。条文も固有名称は置かず、「休日とする」とだけ書きます。
この休日は、国民の祝日とは別物です。祝日法第2条に列挙された年間16日が国民の祝日です。第1条では、国民がそろって祝い、感謝し、または記念する日とあります。第3条第1項は、その国民の祝日は休日とする、と定めます。祝日は休日になりますが、休日のすべてが祝日名を持つわけではありません。
年次表にも、名称欄が「休日」だけの行があります。祝日名のない休みとして並ぶのが、この第3条第3項の休日です。祝日一覧に名前が出てこない日でも、前後の条件がそろえば休みになります。通称と法律上の呼び方はずれることがあります。
前日と翌日の両方を国民の祝日に挟まれた平日が休日になります。いまの典型例は、敬老の日(9月第3月曜)と秋分の日に挟まれる平日です。敬老の日は月曜指定で動き、秋分の日は秋分日で動きます。あいだがちょうど1日だけ空く年に、そのすきまの平日が休日になります。片側だけが祝日の平日は、この条項では休日になりません。
平成27年の例では、9月21日が敬老の日、22日が休日、23日が秋分の日でした。令和8年(2026年)も同じ並びです。敬老の日が9月21日、秋分の日が9月23日で、あいだの9月22日が第3条第3項による休日です。令和9年(2027年)は敬老の日が9月20日、秋分の日が9月23日のため、9月にその休日の欄はありません。
毎年おなじ日付で来るわけではありません。年によって出たり出なかったりする休日です。固定日の一覧表ではなく、その年の敬老の日と秋分の日の位置を見ます。該当する年だけ、年次表に「休日」の行が増えます。年ごとの日付は、内閣府の年次表に出ます。
第3条第2項は、国民の祝日が日曜日に当たるときの休日です。いわゆる振替休日と呼ばれるもので、第3条第3項とは別の条項です。日曜日に重なった祝日を後ろの平日へずらす仕組みで、挟まれた平日を休日にする第3条第3項とは役割が違います。暦の振替のくわしい仕組みは、あとの章に回します。
次の章では、この条項が入った時期を見ていきます。
参考:内閣府「国民の祝日について」/e-Gov「国民の祝日に関する法律」
次の章:国民の休日 いつから