賞味期限の本 第7章
第6章では、「いわゆる一括表示」という枠のまとまりを見ました。同じ袋でも、原材料名の欄にはアレルゲンの注記が付く例があります。対象は売られる加工食品などの表示です。家庭でのメモ書きは対象にしません。
食品表示のアレルギー表示は、義務と推奨の二段に分かれます。義務側は特定原材料です。重篤度や症例数の多い9品目について、食品表示基準が表示を義務付けます。推奨側は特定原材料に準ずるものです。過去に一定の頻度で健康被害が確認されてきた20品目について、通知が表示を推奨します。基準の義務と通知の推奨は、根拠が違います。
特定原材料の9品目は次のとおりです。えびとかに。カシューナッツとくるみ。小麦とそば。卵と乳。落花生(ピーナッツ)。カシューナッツは令和8年4月から義務側に追加済みです。食品表示基準の側で含む旨の表示が求められます。袋や容器に載る加工食品などが対象になります。
特定原材料に準ずるものの20品目は次のとおりです。アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ。キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば。大豆・鶏肉・バナナ・ピスタチオ・豚肉。マカダミアナッツ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン。ピスタチオは推奨側です。通知による推奨であり、義務の9品目とは別枠です。推奨側に載っていても、義務表示と同じ扱いにはなりません。
表示の書き方の原則は個別表示です。個々の原材料の直後に、含まれる特定原材料等を書く方法です。例外として一括表示もあります。表示面積の都合などで個別がなじまないときに、原材料欄の末尾へまとめて書く方法です。ここでの一括表示は、第6章の枠つきのいわゆる一括表示とは別物です。
枠全体の呼び名ではなく、アレルゲン注記のまとめ方の名前です。個別と一括を同時に使うことはできない、と消費者庁のハンドブックは述べます。末尾にまとめるときは、その食品に含まれる特定原材料等を繰り返し示す必要があります。どちらで書くかを選んだら、片方にそろえます。
消費者庁のハンドブックでは、特定原材料を含む加工食品などについてアレルゲンを含む旨の表示が求められます。原材料として使う場合も対象です。特定原材料に由来する添加物を使う場合も、表示の対象に入ります。新潟市の消費者向け資料でも、特定原材料を使った加工食品には表示が義務付けられると書かれています。
買う側が袋を見るときは、枠の項目と原材料の注記の両方を追うことになります。義務の9品目は基準、推奨の20品目は通知、という根拠の違いがあります。消費者庁のアレルギー表示のページでも、義務と推奨の品目一覧が並んでいます。第5章の法と基準の続きとして、第1章から続くラベルの読み方の一端がここにあります。
袋の枠と原材料欄の注記をセットで見る、という読み方までが、この本の範囲です。
参考:消費者庁「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック」(令和8年4月版)/消費者庁「アレルギー表示について」/新潟市「知っておきたい食品の表示」
前の章:一括表示 とは