賞味期限の本 第2章
第1章では、消費期限と賞味期限の違いを並べました。消費期限は、袋や容器を開けないまま表示どおりに保存したとき、その年月日まで安全に食べられる期限です。農林水産省のページも、この短い言い方で分けています。
おいしさではなく安全性の期限である点が先に来て、弁当や生めんなど傷みやすい食品の袋で目にする表示でもあります。
食品表示基準第2条第1項第7号は、決められた保存の仕方で置いたときに、腐敗や変敗など品質の劣化で安全を欠くおそれが認められない期限を示す年月日、と定義します。
言い換えると、書かれた保存方法を守って未開封のまま置いたとき、安全面で問題が起きないと認められる日までの線引きです。定められた方法とは、袋や容器に書かれた保存方法を指します。e-Govの条文と消費者庁の資料の定義文は一致します。腐敗や変敗といった劣化が安全を欠くおそれにつながるかどうかを、この条文は問います。
品質が急速に劣化する食品に付きます。弁当・サンドイッチ・生めん・ケーキなどが農林水産省の例です。東京都のFAQは、弁当・調理パン・そうざい・生菓子類・食肉・生めん類なども挙げます。日持ちが短く傷みやすい食品、とりわけ調理済みで水分の多いものが対象になりやすく、賞味期限の付く比較的傷みにくい食品とは選ばれる表示が分かれます。
表示の仕方も基準で決まっています。傷みが早く進みやすい食品では、「消費期限」の文字を付けたうえで年月日を年月日の順に書く、というのが食品表示基準のルールです。ラベルには消費期限である旨が先に来て、そのあとに年月日が続きます。
原則として年月日まで書き、年月だけの表示は賞味期限側の例外です。製造からの期間が長くても、消費期限の側は年月日のままが原則です。
消費者庁の資料の図では、消費期限側を「期限をすぎたら食べないほうがよい期限」と示しています。東京都のFAQも同じ方向です。消費期限を過ぎると安全ではなくなる場合があるため、食べることはすすめられない、とあります。過ぎたあとの扱いは、賞味期限の場合とは説明が分かれます。
開封前が前提です。袋や容器を開けず、書かれた保存方法を守っていた場合の安全の約束です。一度開けた食品は、表示の期限にかかわらず早めに食べる、と農林水産省は注意を促しています。冷蔵や常温の指定だけでなく、封を切ったかどうかも条件に入ります。開封後は、表示の年月日より手前でも早めに食べる前提になります。
賞味期限は、同じ未開封の条件でおいしく食べられる期限という別の線引きです。消費期限が安全の期限なら、賞味期限はおいしさの期限です。
次の章では、おいしさ側の期限表示を条文の定義から確かめていきます。
参考:農林水産省「消費期限と賞味期限」/東京都保健医療局「消費期限と賞味期限は、何が違うのでしょうか?」/消費者庁「期限表示(消費期限・賞味期限)について」/e-Gov「食品表示基準」
前の章:賞味期限 消費期限 違い
次の章:賞味期限 とは