付与は十八日なのに取得は十二日

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有給は十八日あるのに十二日しか使われない 第1章

厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」を見ると、令和6年の1年間をみると、企業が労働者に付与した年次有給休暇は1人平均で18.1日です。このうち実際に取得された日数は12.1日で、取得率は66.9パーセントでした。

書名や章題でいう十八日と十二日は、この1人平均の数字を丸めたものです。この章では、その差が何を指しているのかを、調査の範囲とあわせて確かめます。

調査の対象になっているのは、常用労働者が30人以上いる民営企業です。調査の客体は6,448社で、有効回答は3,820社、有効回答率は59.2パーセントでした。調査時点は令和7年1月1日現在です。

年間の数字は、令和6年(又は令和5会計年度)の1年間の状況をみています。常用労働者が30人未満の企業や公務員は、この集計には入りません。

対象の労働者についても、範囲が決まっています。企業にいる常用労働者のうち、期間の定めなく雇われている人が対象で、パートタイム労働者は除かれます。概況の利用上の注意にも、その範囲が書かれています。

したがって、ここでいう平均はすべての就業者の平均ではありません。常用労働者が30人未満の企業をすべて含む数字でもありません。

付与日数の18.1日には、前年から繰り越した日数は入っていません。概況の注記も、付与日数は繰越日数を除くとしています。取得日数は、その1年間に実際に取得した日数です。

取得率は、取得日数の合計を付与日数の合計で割り、100を掛けた割合です。繰越を除いた当年度の付与と、当年度の取得を並べた数字になっています。

付与18.1日から取得12.1日を引くと、差は6.0日になります。これは、その年に付与された日数のうち、当年度中に使われなかった分にあたります。付与日数に対する割合でみると約33パーセントで、およそ三分の一です。

繰越分はこの付与日数に含まれないため、差の6.0日を繰越の有無だけで説明することはできません。使われなかった理由も、この表からはわかりません。

取得日数の12.1日は、昭和59年(1984年)以降で最も多い水準です。取得率の66.9パーセントも、同じ期間で最も高い水準です。報道発表も、それぞれ「過去最多」「過去最高」と書いています。

前年の調査では、付与16.9日、取得11.0日、取得率65.3パーセントでした。付与も取得も前年から増えています。それでも、付与と取得のあいだにはなお6.0日の開きがあります。

産業によって取得率に差があることも、概況に示されています。その内訳は後の章で扱います。数字の並びから言えるのは、付与と取得のあいだに労働者1人平均で6.0日の差があることまでです。

では、その18日という数字はどこから来るのでしょうか。次の章では、法律が定める付与の日数の決まり方を見ていきます。

参考:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査の概況」/厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査」報道発表

次の章:有給の日数は法律の表で決まっている

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