お供えののしの書き方と薄墨の使い方

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のしと表書きの本 第6章

お供えの品には、のしの付かない掛紙を使います。水引だけが印刷された紙が掛紙で、のしまで印刷された紙がのし紙です。弔事にのしを付けない理由は、第1章で見たとおりです。

水引は、一度結ぶとほどけない結び切りにします。ほどけない結び方に、不幸が重ならないようにという願いを込めたものです。色には地域差があり、通夜や葬儀のお供えなら東日本は黒白か双銀、西日本は黄白か双銀の五本結び切りが使われます。四十九日などの法要では、東日本は黒白、西日本は黄白の五本結び切りが目安です。

蓮の花が描かれた掛紙は、仏式でだけ使います。掛紙の代わりに黒いリボンを掛けることもありますが、掛紙とリボンを重ねて使うことはしません。

お供えの表書きは、時期によって次のように使い分けます。

  • 通夜・葬儀や四十九日前の法要:「御供」か「御霊前」とします。
  • 四十九日後の法要や年忌法要:「御供」のほか、「御仏前」「御佛前」も使えます。

「御霊前」と「御仏前」をいつ切り替えるかは、宗教や宗派で考え方が違います。冠婚葬祭のマナーの案内では、通夜から三十五日の法要までは「御霊前」、仏式の四十九日の法要からは「御仏前」とされています。贈答の案内でも、忌明けの法要までは故人がまだ仏様になっていないとして、「御仏前」は使わないとしています。

ただし浄土真宗では、亡くなるとすぐに仏様になると考えます。そのため、「御霊前」を使わずに最初から「御仏前」とする場合があります。

「御霊前」は、どの宗教や宗派でも使える言葉とされます。ただし神式やキリスト教式では、蓮の花の模様が入った金封や掛紙は使いません。現金を包む香典では、神式なら「御神前」「御玉串料」とします。キリスト教の場合は、カトリックが「御ミサ料」、プロテスタントが「御花料」です。「御香料」「御香典」は、葬儀にも法要にも使える表書きです。

名前の書き方は慶事と同じで、水引の上に表書き、下に贈り主の氏名を書きます。連名なら、目上の人から順に右から書いていきます。名前の位置や並べ方は、第5章で見たとおりです。

弔事の表書きは、薄墨で書くのがならわしです。涙で墨が薄れたという意味や、悲しみが早く和らいでほしいという思いを表すとされます。

薄墨をいつまで使うかは、香典返しの例が目安になります。四十九日より前に贈るなら薄墨にし、忌明けの報告を兼ねて四十九日を過ぎてから贈るなら濃い墨にします。印刷の表書きも、四十九日後はグレーではなく黒を選びます。ただし、これは香典返しについての説明で、お供えにも同じ区切りが当てはまるとは限りません。

遺族からのお返しには、「志」という表書きが広く使われます。関西から西日本では、香典返しの表書きに「満中陰志」を使うこともあります。「満中陰」は四十九日の忌明けを指し、忌明けに贈るお礼のしるしという意味になります。お返しの名前は、喪家の姓だけか、姓に「家」を付けて書くのが基本です。

贈答のしきたりには諸説があり、地域や家のならわしで扱いが変わることもあります。

次の章では、「寸志と心付けの表書きの書き方」として、お世話になった人へ渡す金品の表書きを見ていきます。

参考:全日本冠婚葬祭互助協会「香典袋の表書きは「御霊前」それとも「御仏前」?」/全日本冠婚葬祭互助協会「お葬式のマナー」/高島屋「弔事 仏式 ご贈答マナー」/高島屋「進物の基礎知識 表書きの書き方」/郵便局のネットショップ「香典返しの掛け紙(のし紙)」

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