のしと表書きの本 第5章
名入れの基本は、上段に表書き、下段に贈り主の氏名という配置です。氏名は表書きよりやや小さめに書きます。表書きと同じく、文字がのしや水引に重ならないように気をつけます。余白の取り方や筆記具の基本は、第4章で見たとおりです。
名前の書き方は、贈り主の立場や添える情報によって次のように変わります。
- 個人名だけのとき:下段に、表書きより小さめの字で書きます。目下の方へ贈るなら、姓だけでもかまいません。
- 会社名や肩書き、住所を添えるとき:名前の右側に小さめの字で書き入れます。
- 贈り先の宛名を入れるとき:上段の左側に、表書きより少し高い位置から小さく書きます。
- 名刺を貼るとき:あくまで略式の扱いで、左下に貼るのが一般的です。名入れの部分に貼ることもあります。
連名で贈るときは、目上の人の名前を右端に置き、そこから左へ順に並べるのが一般的です。表に並べる名前は、三名程度までにとどめます。左側に贈り先の宛名を入れる場合は向きが逆になり、目上の人から左から右へ書いていきます。
結婚祝いの祝儀袋では、目上(年上)の人の名前を表書きの真下に書き、残りの人を左側へ並べるのが正式とする案内もあります。右端から何人もの名前を横に連ねる書き方は、正式ではないとされています。
人数が多いときは、代表者の氏名だけを表に出す方法があります。代表者の名前を中央に太めに書き、その左に「外一同」または「他一同」と小さく添えます。ほかの人の氏名は別の紙に書き、品物や祝儀袋の中に入れます。結婚祝いの祝儀袋では、四人以上になったらこの形にするとされます。
会社や部署、グループでまとめて贈るときは、「〇〇一同」と書く方法もあります。「有志一同」とする場合は、全員の氏名を記した紙を中に入れます。
結婚祝いでは、表書きを「寿」か「御祝」とし、名前は必ずフルネームにします。一人で贈るときは、表書きの真ん中の下に名前を書きます。本来は左寄りに書くのが正式とされますが、いまは中央に書く人が多いようです。
改まった贈り物では、筆記具は毛筆が基本です。結婚祝いの表書きにも、ボールペンや万年筆は使いません。慶事では墨を濃くし、太い線で力強く書くことで喜びを表します。毛筆に慣れていない人には、毛筆ペンが書きやすいでしょう。中包みに金額を書くときは、表の中央に縦書きにします。
贈答のしきたりには諸説があり、地域や家のならわしで扱いが変わることもあります。
次の章では、「お供えののしの書き方と薄墨の使い方」として、弔事の表書きと薄墨の扱いを見ていきます。
参考:高島屋「進物の基礎知識 表書きの書き方」/全日本冠婚葬祭互助協会「祝儀袋に金額や名前を書く時の正しい書き方は?」/全日本冠婚葬祭互助協会「結婚式・披露宴のマナー」
前の章:のしの表書き一覧と書き方