国道に五十九号から百号はない

執筆者:

カテゴリ:

約3分で読めます

国道に五十九号から百号はない 第1章

『国道に五十九号から百号はない』の目次:国道に五十九号から百号はない

国道の番号は、一号から順に付いている。一号は東京都中央区から大阪市まで、二号は大阪市から北九州市まで、三号は北九州市から鹿児島市まで。数字をたどれば、途切れずにどこまでも続いていきそうに見える。

国道の路線は、法律ではなく政令で決まっている。道路法第5条第1項は、国道を「高速自動車国道と併せて全国的な幹線道路網を構成し」、各号のどれかに当たる道路で「政令でその路線を指定したもの」と定める。各号に並ぶのは、都道府県庁所在地などの重要都市を結ぶ道路や、国際戦略港湾・国際拠点港湾などの港湾、重要な飛行場、国際観光上重要な地を幹線に結ぶ道路などだ。

その政令が「一般国道の路線を指定する政令」で、昭和40年の政令第58号にあたる。名前にある「一般国道」は、道路法第3条が挙げる道路の種類の一つで、高速自動車国道、都道府県道、市町村道と並んでいる。附則によれば、施行は昭和40年4月1日。その後も改正を重ね、附則には昭和45年から平成16年までの改正の施行日が並ぶ。本則は今も一文しかない。

「一般国道の路線名、起点、終点及び重要な経過地は、別表のとおりとする。」

中身はすべて別表にある。路線名、起点、終点、重要な経過地の四つの欄が、一行に一路線ずつ並ぶ。経過地の欄には市や町の名前が続き、一号の行だけで東京から大阪までの地名がぎっしり詰まっている。

この別表を上から読んでいくと、途中で数字が跳ぶ。五十六号、五十七号と進み、五十七号は大分市から長崎市までの路線だ。五十八号を挟んで、次の行は百一号になる。起点は青森市、終点は秋田市。百二号も、青森県の弘前市から十和田市までの路線だ。九州の次に、いきなり東北の路線が来る。

2026年10月9日時点のe-Gov掲載の政令では、五十九号から百号までの四十二の番号は、別表のどこにもない。一つ二つの抜けではなく、四十を超える番号がひとかたまりで空いている。百一号から先は、また番号が続いていく。同じ時点で、別表の最後の行は五百七号だ。その間にも、百九号から百十一号、二百十四号から二百十六号が見当たらない。ただ、どれも三つずつで、五十九号から百号ほどの空白はほかにない。

国土交通省の「道の相談室」も、国道について答えるページで59号から100号を欠番として挙げている。別表を読み違えたわけではなく、国の側でも、この番号は欠けたものとして扱われている。

道路法には、国道の番号の付け方を定めた条文がない。第5条第2項は、政令で「路線名、起点、終点、重要な経過地その他路線について必要な事項を明らかにしなければならない」と定めるだけだ。政令の本則も、番号には触れていない。番号は、別表の路線名の欄に漢数字で書かれている。どの路線に何号を付けるかの決まりは、法律と政令の文面からは読み取れない。

一号から五十八号までは続いているのに、なぜ五十九から百だけが抜けたのか。番号の付け方には、昭和にあった二つの等級の跡が残っている。

参考:e-Gov法令検索「一般国道の路線を指定する政令」/e-Gov法令検索「道路法」(第3条・第5条)/国土交通省 道の相談室「道路についての定義・用語」/国土交通省 道の相談室「道に関する各種データ集」

次の章:一級は二桁、二級は三桁だった

ほかの読みもの