降水確率は雨の量を表さない 第2章
わずかに湿ったのに、予報の側では「当たっていない」ことがある。感じた雨と、公式の「当たり」は、同じ線の上にいない。しきい値は降水量1mm以上の雨または雪だ。液体でも固体でも、そこを超えたとき初めて当たった側に入る。体感の濡れだけでは、判定は決まらない。
1mm未満の霧雨やわずかな降りは、降水確率の「当たり」には数えられない。体感では降っているのに、統計や検証の線では外れる。ズレの多くは、この1mmの線から生まれる。雨粒を感じただけでは、公式の当たりには届かないことがある。
用語の側では、予報区のなかで決めた時間に1mm以上の雨または雪が降る確率の平均値だと置かれている。%は降水量そのものを指す数字ではない。量の目盛りではなく、「1mmに届くかどうか」の確率だ。雨でも雪でも、基準は同じ1mmにある。
定義の核は、量ではなくしきい値にある。FAQでも、示しているのは有無だけだと説明されている。1mm以上である限り、降水量の多少は示さない。10mmでも50mmでも、1mmを超えていれば「あり」の側は同じだ。確率の数字は、量の大きさを語らない。
強い降りか弱い降りかも、この%だけでは決まらない。しきい値の話であって、量の目盛りではない。ここを取り違えると、%の高低を雨量の大小と読んでしまう。定義が指すのは、1mmという線を超えるかどうかの確率だけだ。線の向こう側でどれだけ積もるかは、別の話になる。
0%の表し方にも、しきい値が効いている。用語では、5%未満を0%と表す。対象が1mm以上なので、1mmに届かない降水の予想なら0%と出してもよい、とされる。実用上は、雨や雪が降りにくい状態に使うのが好ましい、とも書かれている。霧雨程度の予想なら、0%と並んでも矛盾しない枠がある。
「降ったのに確率が低かった」と感じるとき、その雨が1mmに届いていたかどうかで、評価の枠が変わる。しきい値未満なら、低い確率と矛盾しないこともある。逆に1mm以上だったなら、確率の側の話になる。感覚と公式の線を重ねる前に、どちら側の「降った」かを切り分ける必要がある。
体感の濡れと、検証の当たりは、同じ言葉でも中身が違う。1mmは量の目盛りではなく、当たり外れを分ける線だ。%が高いほどたくさん降る、という意味にはならない。有無の確率である以上、量の話は別の欄にある。しきい値を押さえると、数字の指す先が一段変わる。
0%の読み方まで含めて、しきい値の地図はもう少し広がる。数字の裏側にある線を知ると、予報の見え方が少し変わる。有無と量は、最初から別の軸にある。
参考:気象庁「予報の名称」/気象庁「天気予報・天気図について」(FAQ)
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