降り方や雨の強さはパーセントには入っていない

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降水確率は雨の量を表さない 第5章

降水確率の%は、量を表さないだけではない。強さも、降り方も、この数字の箱には入っていない。画面の%が大きいと「強い雨」や「長く降る」と読まれやすい。公式の定義は、そこまで踏み込まない。ズレは量の話だけでは終わらない。強さと降り方の錯覚が、同じ%の隣に立つ。

気象庁のFAQは、否定をはっきり並べている。%が示すのは、降るか降らないかの確率に限られる。切れ間なく続くか切れ切れか、短く降るなら時間帯のどのあたりか、といった降り方の細部は載らない。1mmを超えたあとの水の量についても、何も語らない。有無以外のことは、%の外側だ。

東京地方の正午から午後6時までの降水確率70%を例にすると、意味は有無に閉じる。その時間帯に1mm以上の降水がある確率が70%だ、という読み方だ。連続して降るか切れ切れか、前半か後半か、1mmを超えたあとの量までは言わない。FAQの否定列挙は、この例の周りにそのまま載っている。

有無の確率と、降り方の描写は別物だ。%は「降るか降らないか」の見通しに寄っている。しきい値を超えるかどうかの回数のたとえであり、強さの目盛りではない。量の目盛りでもない。箱に貼れるラベルは有無だけだ。

暮らし向けの説明でも、確率の高さと雨量の多さは結びついていない、と書かれている。70%は「強い雨が来る」ではない。20%は「弱い雨だけ」でもない。どちらも、指定された時間に1mm以上があるかどうかを100回のうち何回かで表している。数字の大きさは、強さの代理ではない。

降り方が連続か切れ切れか、時間帯の前半か後半か、1mmを超えた先の水の量。これらは降水確率の外側にある。%の箱に詰め込めるのは、有無の確率だけだ。書名の「量を表さない」は、強さと降り方まで含めないと、ズレの全体が見えない。量だけの話に閉じると、定義の半分が残る。

雨量や強さの見通しが欲しいときは、別の予報がある。天気分布予報や降水短時間予報など、量や強度の側を扱う資料が気象庁のページに並ぶ。使い方の手順まではここで追わない。名称が並んでいる、という存在の確認で足りる。%だけを強さの代理にする読み方から離れる、という一点が先になる。

%を見ても、降り方の細部は埋まらない。連続か断続か、どこで降るか、量の多少は、有無の確率とは別の問いだ。定義の箱の中身を取り違えると、数字の顔がすぐに膨らむ。有無の確率として読むと、%が担わないものがはっきりする。量も強さも降り方も、この箱の外にある。数字の指す先を揃えると、予報の読み方が一段変わる。

参考:気象庁「天気予報・天気図について」(FAQ)/気象庁「天気予報」/気象庁「予報の名称」

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