還暦はなぜ60歳なのか

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干支の本 第7章

第6章では、十二支が時刻を区切る使われ方を見ました。六十干支は年を数えるのにも使われてきました。第2章で見たように、年の干支は60年で同じものへ戻ります。この章では、その一巡が還暦とどう結びつくのかを確かめていきます。

国立天文台暦計算室の「こよみ用語解説」によると、六十干支は十干と十二支を組み合わせたものです。十干十二支とも呼ばれます。組み合わせはすべてがあるわけではなく、陽の十干は陽の十二支と組み、陰どうしも同じように組むため、結果として60通りになります。表の末尾の癸亥の次は、先頭の甲子へ戻って繰り返します。

干支の周期は60年なので、還暦を迎えるとは60歳になることを指す、と説明されます。国立天文台の説明は、還暦を六十干支の一巡と結びつけて書いています。60という数字は、干支の組み合わせの数そのものです。歳の数え方を別にしても、干支の周期が60年であることは変わりません。還暦が60歳と呼ばれるのは、この周期の長さに由来します。

国立国会図書館の「日本の暦」も、十干と十二支の組み合わせは60通りあり、それを六十干支と呼ぶと説明しています。一巡すると還暦となります。年の干支が60年ごとに同じものへ戻る仕組みが、還暦という呼び名の土台になっています。国立天文台と国立国会図書館の説明は、どちらも六十干支の周期を起点にしています。

レファレンス協同データベースには、所沢市立所沢図書館の回答があります。同館は、還暦を60年で十干十二支が一巡し、その人の生まれ年の干支へ戻ることに由来する、と説明しています。向きは、国立天文台や国立国会図書館が述べる六十干支の一巡と同じです。個人の生まれ年の干支に戻る、という点が呼び名の核になります。

回答が引く『総合百科事典ポプラディア』には、満で60歳・数え年なら61歳のことであり本卦がえりともいう、とあります。辞典の文言は、図書館の回答が孫引きしたものです。満60歳と数え年の61歳は同じ年を指し、数え方が違うだけです。生まれてからの経過年数で見るか、生まれた年を1歳と数えるかの違いです。どちらの数え方でも、六十干支が一巡したあとの年を指します。

同館の回答が引く『世界大百科事典』には、甲子生まれの人が60歳になると再び甲子の年になる、とあります。干支の巡りで見ると、満60歳の年に生まれ年と同じ干支が再びめぐる、という説明です。生まれた年の干支に戻る、という点が還暦の名の根拠になっています。本卦がえりという別名も、同じ由来を指す呼び方です。

祝いの品や表書きの細部は、ここでは扱いません。のしや水引の色、還暦御祝などの表書きは、のしと表書きの本で扱います。

六十干支の一巡が、還暦という呼び名の理由になっています。

参考:国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 六十干支のよみ方」/国立国会図書館「日本の暦」干支①六十干支/レファレンス協同データベース「『還暦』という言葉の由来は何か。」(所沢市立所沢図書館)

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