時速三百キロを超えた風はどこで吹いたか

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日本一暑い町と日本一寒い町はどれだけ違うのか 第5章

第4章では、一日に降った雨の記録を見ました。この章では、風の記録を見ていきます。時速三百キロを超える風は、どこで吹いたのでしょうか。

気象庁の歴代全国ランキングを2026年10月時点で見ると、最大瞬間風速の1位は静岡県富士山の91.0メートル毎秒です。起日は1966年9月25日で、風向は南南西です。

秒速を時速に直すには、3.6を掛けます。91.0×3.6は327.6なので、約328キロ毎時です。

この表も第1章の気温の表と同じく、各地点の観測史上1位の値を集めて上位20位までを並べたものです。富士山には、気象台などの地点を示すアスタリスクがついています。

一方で、富士山の「現在観測を実施」の欄は空欄です。表の見方では、空欄は廃止された地点での値とされています。ただ、富士山について詳しい事情は、この表だけではわかりません。

2位は沖縄県宮古島の85.3メートル毎秒で、起日は1966年9月5日、風向は北東です。同じように換算すると、85.3×3.6は307.08なので約307キロ毎時になります。

宮古島には、今も観測を続けている地点を示す丸印がついています。1位との差は5.7メートル毎秒で、どちらも時速300キロを超えています。

目を引くのは日付です。2位の宮古島が9月5日、1位の富士山が9月25日で、20日しか離れていません。表のいちばん上の二つは、どちらも1966年の9月に記録されたものです。

宮古島の記録は、どんな台風によるものだったのでしょうか。気象庁は、昭和41年9月の台風第18号に「第2宮古島台風」という名称を定めています。名称の一覧では、この台風で宮古島の住家の半数以上が損壊などの被害を受けたと説明しています。

宮古島地方気象台のページによると、この台風は8月31日にグアム島の西の海上で発生しました。発達しながら北西へ進み、9月5日の9時ごろに宮古島に達して、このころが最も発達した時期だったとされています。

同じページは、台風が宮古島の近くをゆっくり進んだため、宮古島では強い風と大雨が長い時間続いたと説明しています。宮古島で観測された最大瞬間風速は85.3メートル毎秒で、ページにはこれが日本の観測史上1位だと書かれています。

ただし、歴代全国ランキングでは富士山が1位で、宮古島は2位です。この本では、ランキングの順位にそろえて書いています。二つの書き方のどちらが正しいかは、ここでは決めません。

第4章で見た雨の1位の箱根には、丸印がついていました。風の1位の富士山は空欄です。同じ日本一の記録でも、今の観測の印は地点によって違います。

気温や雨とは別の物差しでも、表の端には大きな値が並んでいます。次の章では、雪の記録を見ていきます。

参考:気象庁「歴代全国ランキング」/気象庁「気象庁が名称を定めた気象・地震・火山現象一覧」/宮古島地方気象台「台風による災害」

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