オトスミ文庫
雑誌のように読める、コラム・エッセイ・特集
借りた本の書名は、カウンターの職員に見えている。それでも図書館は、誰が何を借りたかを外に出さない。
人が「青になった」と呼ぶ灯火は、施行令の表では「青色の灯火」と書かれる。
日常の「青信号」と法令の「青色の灯火」は、違う層の名だ。
矢印や人の形に種類が細かくなっても、種類名の「青色」は落ちない。
緑に見えても青と呼ぶのは、見え方の幅と呼び名の歴史が重なるからだ。
青色の灯火だけが特別な型ではない。黄も赤も、同じ「色+灯火」で上欄に並ぶ。
いま法令が青と呼ぶ信号も、かつての法令の側では緑と呼ばれていた。
法律は公布されてもすぐには動かない。成立や公布と、効力の始まりは別の段だ。
いまの正本は、官報発行サイトに載った電子データだ。公布の器はなお官報である。