かつて法令は緑と呼んでいた

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信号の青は青色の灯火 第2章

交差点で「青になった」と聞こえる語感がある。耳の地図は、すぐ青と呼ぶ。府警の公開説明をたどると、その青は法令の側より先に道の側で立っていた、と読める。昭和五年ごろ、電気式に近い信号が置かれはじめた頃、法令の側は緑色信号と呼んでいた、という整理がある。灯火の見え方も緑寄りだった、と府警FAQは記す。一方、道を歩く側はすでに青色信号や青信号と呼んでいた、という。法令の語と、口にした語が、同じ時計では重ならない。緑と呼ぶ紙と、青と呼ぶ耳は、入口が違う。呼び名が法令より先に動いた例として、ここは読める。昔の人が間違っていた、という話ではない。紙が緑のまま残るあいだに、耳だけが青へ寄っていた、という段だ。なぜ緑に見えるのか、という問いとは、芯が違う。見え方のずれは、ここでは持たない。語の履歴だけを先に置く。公共の呼び方と、法令の種類名は、動いた順番が違う。道の側の語が、紙の語より早く青を抱えていた。

昭和二十二年、法令の側は青信号へ寄せる。府警のFAQでは、呼び名の改定とともに、色合いも青へ寄った、と読める範囲がある。大分や広島の公開説明も、同じ骨を置く。最初は法令が緑色信号で人は青、のちに法令も青へ、という流れだ。大阪の説明では、いまの法令は青と書き、灯火も青へ寄ってきた、と整理する。広島の説明では、三原色のなかで青の幅が広いことや、青葉・青物の語感も、青と呼ぶ理由の一端として触れる。青の幅の話は、あとの地図へ回す。ここで持つのは、法令の緑から法令の青へ、語が動いた、という一段だけだ。昭和四十八年以降に灯火がさらに青へ寄った、という整理もある。細部の見え方と、いまの青色の灯火は、あとの地図として残す。語の履歴と、見え方の層は、別の階段だ。改定の年号を年表のように積む話ではない。FAQが置く範囲だけを先に持つ。昭和五年の入口と、昭和二十二年の寄せを、短い二点として置く。寄せの前後で、紙の語だけが動いたわけではない。色合いの寄る話も、FAQの範囲にある。

府警の公開説明は、断定の条文引用ではなく、なぜ青と呼ぶのか、という問いへの整理だ。大阪・大分・広島のFAQを並べると、骨は揃う。人の青が先で、法令の緑が後から青へ追いついた、と読める。先に置くのは、かつて法令は緑と呼んでいた、という一段だけだ。聞こえ方の地図と、法令の地図を、分けて持つ。条文の一字一句をここで復元する話ではない。公開説明の骨だけを持つ。緑と呼ばれた紙の語は、いまの青色の灯火の手前に残る履歴だ。三つのFAQは、言い回しは違っても、順番の骨は同じだ。公開の地図を三つ重ねても、向きは崩れない。信号の青は青色の灯火だ。

参考:大阪府警「青信号は緑色に見えるのに…」/大分県警「青信号というのになぜ緑色…」/広島県警「信号は、青色?それとも緑色?」

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