『土曜日が休みになって、締め切りは月曜に延びた』の目次:土曜日が休みになって、締め切りは月曜に延びた
1988年12月13日、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号)が公布された。国会での提案理由は、行政機関に「土曜閉庁方式」を入れて週休二日制を進めるというもので、毎月の第2土曜と第4土曜を、日曜や祝日、年末年始と並べて行政機関の休日にした。休みになった土曜には、役所の執務は原則として行わない。衆議院の委員会で総務庁の人事局長は、なぜ「休日」として法律に書くのかを説明している。長く社会に定着した執務日を変え、国民の権利義務や暮らしの多くの面に及ぶので、土曜閉庁日を行政機関全体として休みの状態にある日と位置づけ、日曜や祝日と並べて規定した、という答えだった。施行の日は法律に書かれず、附則は公布から6か月を超えない範囲で政令に任せていた。審議の終盤、参議院の委員会では実施がいつになるかが問われ、総務庁長官は最初の休みを1月14日と想定していると答えている。翌1989年2月の衆議院では、労働省の担当課長が「本年一月からは国の行政機関の土曜閉庁制がスタート」したと述べた。同じ説明は、前の週の土曜から金融機関の完全週休二日制が始まったことにも触れている。役所は月2回、銀行は毎週で、この時点では銀行のほうが先を行っていた。
全部の土曜が休みになったのは3年あとだ。1991年8月の人事院勧告を受けて、政府は国家公務員の完全週休二日制のため、すべての土曜を行政機関の休日にする改正案を出した。これが1992年4月2日の法律第28号で、e-Govの改正履歴では施行は同年5月1日になっている。公布から施行まで、ひと月足らずだった。5月1日は金曜で、翌2日はそれまで役所が開いていた第1土曜だった。いまの第1条1項1号は「日曜日及び土曜日」と短い。
書名の締め切りは、同じ法律の第2条にある。「国の行政庁(各行政機関、各行政機関に置かれる部局若しくは機関又は各行政機関の長その他の職員であるものに限る。)に対する申請、届出その他の行為の期限で法律又は法律に基づく命令で規定する期間(時をもつて定める期間を除く。)をもつて定めるものが行政機関の休日に当たるときは、行政機関の休日の翌日をもつてその期限とみなす。ただし、法律又は法律に基づく命令に別段の定めがある場合は、この限りでない。」土曜と日曜は続けて行政機関の休日になり、その翌日は月曜にあたる。ただし書きがあるので、別の定めを置いた法令があればそちらが先に立つ。都道府県や市町村については、地方自治法第4条の2が休日を条例で決めるとし、その4項に同じ形の期限の定めを置いている。第3章の民法142条は「慣習」を条件にしていたが、こちらは休日そのものを条文で指している。民法と行政機関休日法は別の決まりで、ある期限がどちらにかかるのか、あるいはどちらでもないのかは、その期限を定めた個々の法令による。役所も銀行も土曜に閉まったあと、学校の土曜はもっと遅れて動いた。
参考:行政機関の休日に関する法律|e-Gov法令検索/地方自治法|e-Gov法令検索/民法|e-Gov法令検索/第113回国会 衆議院内閣委員会 1988年11月8日(提案理由)|国会会議録検索システム/同委員会 1988年11月8日(総務庁人事局長の答弁)|国会会議録検索システム/第113回国会 参議院内閣委員会 1988年12月8日|国会会議録検索システム/第114回国会 衆議院内閣委員会 1989年2月10日|国会会議録検索システム/第123回国会 参議院法務委員会 1992年3月27日(人事院勧告と改正案)|国会会議録検索システム