過失割合は警察が決めない 第3章
交通事故証明書は、自動車安全運転センターが交付する書面だ。センターの公式は「交通事故の事実を確認したことを証明するもの」と置く。交付は、警察から提供された証明資料に基づく。当事者の求めに応じ、事故の事実を確認したことを証明する骨格だ。民事の過失割合の裁定ではない。交付の主体はセンターだ。警察そのものの裁定書として読む前提は、公式の置き方とずれる。紙面が示すのは事実の側だ。割合の数字を証明書の結論に重ねない。証明書は事実の確認の証明として置かれる。何対何を言い渡す手続ではない。耳の期待が割合を探すほど、紙面の役割は事実の側に留まる。現場の記録と証明書の紙は事実の層に並ぶ。割合の地図は、その外側にある。事実の確認と分け前の数字は、同じ時計では読めない。割合の行き先を、最初から証明書の手元に置かない。聞こえた期待と、紙面が置く確認は、層そのものが違う。確認の書面を、分け前の答えに読み替えない。
公式見本に載る欄は事実の側に並ぶ。発生日時と発生場所が載る。当事者の氏名と住所なども並ぶ。車両と事故類型の欄が続く。照合記録簿の種別には、人身事故と物件事故の区分がある。並ぶのは事実の列挙だ。何対何の欄はない。見本の末尾には但し書きがある。この証明は損害の種別とその程度、事故の原因、過失の有無とその程度を明らかにするものではない、という趣旨だ。紙面自身が、過失の有無とその程度を外に置く。損害の種別や程度も、事故の原因も、この証明の外だ。欄に無いものを、欄から読み出さない。証明書の紙と割合の数字は、同じ欄には乗らない。見本の地図は、事実の確認までで閉じる。数字の行き先を、証明書の欄に預けない。割合を探す目が欄を増やしても、紙面の役割は増えない。事実の欄が埋まっても、分け前の数字は自動では埋まらない。欄の地図と割合の地図は、重ならない。
警察への届出がないと、交通事故証明書は発行されない。栃木県の案内もその線を置く。センターの公式も、必ず警察に届出、と置く。届出の要否と割合の決め方は、重ならない。届出がないと証明書が無い、という事実の線は消えない。申請の手順や窓口の操作は、ここでの話ではない。証明書が置くのは事実の確認であり、割合の数字ではない。割合は民事の棚に残る。当事者同士と保険会社の提示と、納得できないときの裁判の側だ。棚の入口の予告だけを持ち、中身の講座にはしない。役割が違うから届出が不要だ、という読み方にはならない。事実の証明と分け前の数字は、入口が違う。確認の紙と分け前の棚は、並んでも交わらない。届出の線は残し、割合の棚は別に持つ。交通事故証明書に過失割合は書かれない。
参考:自動車安全運転センター「交通事故証明書」/栃木県「交通事故にあったら…」
次の章:割合は民事の棚にある