民法には過失相殺という枠がある

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過失割合は警察が決めない 第5章

過失割合の語の奥に、民法第722条第2項がある。「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」条文が置くのは骨格だけだ。裁判所が賠償額の算定で被害者の過失を考慮しうる、という枠である。「できる」の語は、裁量の含みを残す。義務として必ず減らせ、という断定ではない。考慮しうる余地が、条文の語感に残る。制度の地図は、ここまでで足りる。条文の細部を講座にしない。骨格の位置だけを先に持つ。賠償額の算定の段に、被害者の過失が入りうる。割合の数字そのものを条文が並べるわけではない。枠の存在と、裁量の含みまでだ。民事の損害賠償の側に、この枠が座る。過失相殺という名の枠は、ここにある。割合の語の土台を、条文の骨格として先に読む。不法行為の損害賠償の算定に、被害者の過失が寄りうる入口だ。条文は算定の余地を開き、数字の型は置かない。

日常で聞こえる「過失割合」の話は、この民事の枠の上に乗る。警察が現場で722条2項を適用する手続ではない。現場の警察は事実の側に立ち、民法の過失相殺の条文をその場で当てはめない。耳の地図が割合の数字をすぐ欲しがっても、722条2項の置き場は裁判所の賠償額算定の側にある。民事の枠と、警察の現場の職務は、層が違う。割合の語感が警察の手元に寄りやすいほど、条文の置き場は民事に残る。現場の確認と、賠償額で過失を考慮しうる枠は、同じ時計では読めない。枠の入口は民法にあり、現場の適用ではない。聞こえた割合の語と、条文の骨格は、同じ棚に並んでも役割が違う。日常の語感を、現場適用の手続に読み替えない。割合の話の土台は、民事の枠にある。何対何という語感の下に、722条2項の骨格が座る。耳の数字と条文の枠は、別の層だ。警察の到着は、722条2項の適用開始ではない。

栃木県の案内は、被害者にも過失がある場合は割合に応じて損害賠償額が減額されうる、という趣旨を置く。あわせて、自賠責は被害者保護の観点から重大な過失がない限り減額しない、という別制度の一行がある。民事の過失相殺の枠と、自賠責の減額の扱いは、並んでも同じ手続ではない。地図は骨格までで足りる。入口の線だけを先に持ち、手続の細部は外に残す。限度額の表や請求の手順には降りない。722条2項が開くのは、裁判所が賠償額で被害者の過失を考慮しうる枠だ。日常の割合の語はその枠の上に座り、警察の現場適用ではない。案内の趣旨と別制度の一行を、入口の地図として持つ。民事の枠と自賠責の扱いは、別の線だ。二つの線を一語に畳まない。入口の地図は、骨格と別制度の一行までだ。民法には過失相殺という枠がある。

参考:e-Gov法令検索「民法」/栃木県「交通事故にあったら…」

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