取得率は四十年でいちばん高いのに三分の一はまだ残る

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有給は十八日あるのに十二日しか使われない 第6章

第5章でみたように、2019年からは年5日の時季指定義務が加わりました。制度が広がり義務が入ったあとの数字が、いまの取得率です。

厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」では、労働者1人平均の取得率は66.9パーセントでした。書名の十八日と十二日は、この調査の付与と取得の平均に対応します。

付与日数は18.1日、取得日数は12.1日です。取得日数と取得率は、いずれも昭和59年以降で最も多い、または最も高い水準です。対象は常用労働者30人以上の民営企業で、付与日数には繰越日数は含まれません。

第1章で最初に並べた数字と同じ枠組みです。前年調査の取得率は65.3パーセントで、今回はそれを上回っています。

それでも付与18.1日から取得12.1日を引くと、差は6.0日残ります。付与に対する割合では約33パーセント、およそ三分の一が当年度中に使われていません。章題の三分の一は、この残りの呼び方です。

繰越分は付与日数に入っていないため、残りの中身の内訳までは、この表からはわかりません。使われなかった理由も、この数字だけでは決まりません。

企業規模別に取得率をみると、1,000人以上は69.0パーセントです。300~999人は66.8パーセント、100~299人は65.5パーセント、30~99人は64.9パーセントでした。規模が小さくなるほど、取得率は低めに並びます。

政策の側には、統計のいまとは別に、さらに先の目安もあります。「過労死等の防止のための対策に関する大綱」は、年次有給休暇の取得率を70パーセント以上とする目標を、令和10年までとして掲げています。

厚生労働省の「確かめよう労働条件」も同大綱に触れ、2028年(令和10年)までに70パーセントとする政策目標だと書いています。1,000人以上の欄の69.0パーセントも、この70パーセントには届いていません。

「確かめよう労働条件」のページ上の調査数字は、令和6年調査の65.3パーセントのまま残っていることがあります。この本で用いる最新の取得率は、令和7年調査の66.9パーセントです。

ここまで6章で見てきた流れを短く戻すと、こうなります。付与の日数は法律の表で決まり、産業や規模で実態は分かれ、会社の年間休日は有給とは別枠です。2019年からは年5日の取得時季の義務も入りました。

取得率の数字は、昭和59年以降の四十年の幅でいちばん高くなりました。それでも第1章の18.1日と12.1日のあいだには、なお6.0日が残っています。統計が示しているのは、そのすきまがあることまでです。

参考:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査の概況」/「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(概要)/厚生労働省「確かめよう労働条件」年次有給休暇

前の章:二〇一九年から五日は会社が取らせる義務になった

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