住民税の本 第1章
住民税とは、その地域に住む個人に課す地方税であり、「地域社会の会費」的な性格を持つ税です。公共施設や上下水道、ごみ処理、学校教育といった行政サービスを日々受けており、その地域で必要となる費用を住民が分担する考え方が根にあります。国と地方が公的サービスを分担し、費用は主に税金でまかなわれます。地方税は地域の費用を広く分かち合う会費にあたり、住民税はそのなかでも身近な税です。
住民税には個人住民税と法人住民税があります。個人住民税は、その市区町村・都道府県に住所などがある個人が負担する側です。法人住民税は法人の枠であり、ここからの話の中心は個人住民税です。
個人住民税は市町村民税と道府県民税から成ります。納めるときは市町村に都道府県分と市町村分の合計を納めます。道府県民税は市町村経由で道府県へ払い込まれ、都についても同様です。両分を市町村がまとめて扱う枠組みで、窓口は一つに近づきます。各地域で行政サービスの活動費となる財源を確保するうえで、個人住民税は重要な税目です。
課税の基準日はその年の1月1日です。その時点で市町村や都道府県に住所がある人に対して課税されます。所得割の算定に使う所得は、前年の1月1日から12月31日までの分です。その年のどこに住んでいたかより、基準日の住所が先に効きます。
個人住民税の負担は所得割と均等割に分かれます。所得割は所得に応じた負担で、税率は所得に対して10%です。内訳は道府県民税4%・市町村民税6%で、政令指定都市では道府県2%・市民税8%になります。前年の所得を基に、翌年度分として課税される形です。
所得とは、収入から必要経費を差し引いた額をいいます。均等割は所得にかかわらず定額を求めるもので、基準は4,000円です。内訳は道府県1,000円・市町村3,000円とされ、団体が条例で税率を定め額を決定します。会費的な性格を、定額の側がはっきり表しています。
令和6年度からは、均等割とあわせて森林環境税(国税)1,000円も徴収されます。道府県民税には所得割・均等割のほか、利子割・配当割・株式等譲渡所得割もあります。
納付の方法には普通徴収と特別徴収があります。特別徴収では、給与の支払者などが税金を徴収し、本人に代わって納めます。低所得者層向けの非課税の制度もあり、一定の事由に該当する人は、負担を求める対象から外れます。
国の税と地方の税を並べると、住民税が地方側に置かれる位置がいっそうはっきり見えます。賦課の主体や税率の型が、同じ所得にかかる税でも分かれます。
参考:総務省「個人住民税」/総務省「個人住民税」(制度概要)/財務省「住民税について教えてください」/e-Gov「地方税法」
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