町内会の役員の断り方と退会の手続き

執筆者:

カテゴリ:

約4分で読めます

町内会の本 第7章

役員の順番が回ってきても、引き受けるのが難しい事情を抱えている人はいます。暮らしの変化をきっかけに、町内会そのものから離れることを考える人もいるでしょう。この章では、役員を断るときの伝え方と、退会するときの一般的な手続きを整理します。続けることも離れることも、ここでは勧めません。それぞれの選択に役立つ情報をまとめるだけです。

役員の決め方は、輪番制やくじ引き、推薦など町内会によってさまざまです。引き受けられない事情があるときは、早めに伝えるのがいちばんの配慮です。決まる直前に断ると、ほかの人の調整が難しくなるからです。理由を詳しく書きすぎる必要はありません。お詫びと、できる範囲の協力を一言添えると角が立ちにくくなります。直接会って伝えにくいときは、短い手紙を班長に託す方法もあります。

【例文1】仕事や家族の介護で時間が取れないとき

「このたびは役員のお声がけをいただき、ありがとうございます。あいにく今年度は仕事の繁忙期と家族の介護が重なり、会合や行事に出る時間を確保できそうにありません。大変申し訳ありませんが、今回は辞退させてください。回覧板など、できる範囲のことは引き続き協力いたします。」

【例文2】体調や時期の都合で難しいとき

「役員の件でご連絡いただき、ありがとうございます。現在は体調を整えることを優先しており、任期を通して務めるのは難しい状況です。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。状況が落ち着きましたら、あらためてご相談させてください。」

町内会によっては、規約や申し合わせで役員を免除する条件を定めていることがあります。高齢や病気、長期の不在などが例として挙がることもあります。まずは規約を確かめ、分からなければ班長や会長にたずねてみましょう。

退会を考える場合も、最初に規約に手続きが書かれているかを確認します。退会の扱いについては第2章で触れたとおりで、ここでは手続きの面だけを見ていきます。決まった様式があればそれを使い、なければ次のような書面で用件は伝わります。

【記入例】退会届

「退会届
○○町内会 会長 ____ 様
私は、__年__月__日をもって○○町内会を退会いたします。これまで大変お世話になりました。
退会理由(任意):______
記入日:__年__月__日
住所(班・号):______
氏名:______」

退会理由の欄は、「転居のため」「家庭の事情により」といった短い表現で足ります。退会日の欄は空けたままにせず、具体的な日付を書いておくと行き違いが起きにくくなります。

提出先は会長とする町内会が多いようですが、班長を通して出す決まりの地域もあります。口頭だけで済ませるより、書面に残しておくと行き違いを防げます。あわせて、預かっているものを返す準備もしておきましょう。集積所や集会所の鍵、手元にある回覧板、名簿や配布物などが例として挙げられます。すでに納めた会費の扱いは、規約や役員会の判断によって異なります。

退会後のゴミ出しは、多くの人が気にかける点です。市区町村が収集場所を指定している地区もあれば、町内会が集積所を管理している地区もあります。扱いは自治体と町内会ごとに違うため、一般論では決められません。退会を決める前に、市区町村の清掃担当と町内会の両方に確認しておくと安心です。

ここまで七つの章で、町内会のさまざまな場面を見てきました。役員を引き受ける年もあれば、断る年もあります。会員として関わり続ける人もいれば、別の形で地域とつながる人もいます。どれが正しいということはありません。自分の暮らしに合った距離を見つけるために、この本が小さな手がかりになればうれしく思います。

参考:最高裁判所第三小法廷 平成17年4月26日判決(平成16年(受)第1742号)

前の章:町内会の総会を欠席するときの委任状の書き方

ほかの暮らし