気象予報士の本 第4章
『気象予報士の本』の目次:気象予報士の本
気象予報士試験には、受験資格の制限がない。気象業務支援センターの試験概要はこう書いている。
「受験資格に関する制限はありません(ただし、気象業務法による処分を受けた場合を除く)。」
受験資格について同センターが示しているのは、この一文だけだ。学校を出ているか、気象の仕事をしたことがあるかを問う区分は置かれていない。法律も、第24条の2で「気象予報士になろうとする者」は試験に合格しなければならないと定めている。第3章の2の条文の見出しに、受験資格を定めるものは見当たらない。
資格によっては、受けられるかどうかが条件で決まる。衛生管理者の試験は、学歴と労働衛生の実務経験の組み合わせを求めている(衛生管理者の本)。気象予報士試験は、その入口を設けていない。
例外の「処分」は、気象業務法第24条の18に書かれている。第3章で触れずにおいた条文だ。気象庁の「気象予報士について」も、不正な手段で受験した者には合格の決定の取消しや試験の停止があり、2年以内の期間、受験できなくなる処分があると案内している。
- 第1項 気象庁長官は、不正な手段で試験を受け、又は受けようとした者について、合格の決定を取り消し、又はその試験を停止することができる
- 第2項 指定試験機関も、この長官の職権を行うことができる
- 第3項 長官は、処分を受けた者に対し、情状により、二年以内の期間を定めて試験を受けることができないものとすることができる
第3項の期間には、気象庁が処分基準を定めている。平成25年1月23日に施行された「気象予報士試験を受けることができない期間に関する処分基準」で、目的は、不正行為に厳正に対処し、「もって気象予報士試験の公正かつ適正な実施を確保すること」とされている。表では、行為ごとに原則の期間を決めている。
- 虚偽の出願によって気象予報士試験を受け、又は受けようとするなどの不正行為:2年間
- 参考書、メモを取り出し利用できる状態に置くなどの不正行為:2年間
- 他の受験者の答案をのぞき見るなどの不正行為:1年間
内容と情状によって期間を加重または減免でき、過去に不正行為をした者が繰り返したときは加重できる、とも書かれている。処分をしたときは本人に通知し、指定試験機関にも情報を伝える。
指定試験機関が行う試験事務に係る処分やその不作為については、気象庁長官に審査請求ができる(第24条の19)。この審査請求では、長官が指定試験機関の上級行政庁とみなされる。
受験の制限と混同しやすいのが、登録の欠格だ。第24条の21は、一定の刑に処せられた者や登録を抹消された者が、一定の期間、登録を受けられないと定める。こちらは試験に合格した後、気象予報士として登録する段階の話で、第7章で扱う。受験そのものを止めるのは、第24条の18の処分だけだ。
参考:気象業務支援センター「試験概要」/e-Gov法令検索「気象業務法」/気象庁「気象業務法第24条の18第3項に規定する気象予報士試験を受けることができない期間に関する処分基準」/気象庁「気象予報士について」
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