過失割合は警察が決めない 第6章
過失割合は警察が決めない、という地図と、届出は要らない、という読みは同じではない。役割が違うことと、届出の要否は、別の層だ。割合の裁定が警察の手元にないからといって、届出の線が消えるわけではない。事実の側への報告と、民事の割合の決め方は、並んでも交わらない。聞こえた誤解は、二つの線を一語に畳むところから生まれる。制度の地図は、役割の分離を届出不要の合図にしない。警察が割合を決めないことと、届出が残ることの両方を、同時に持つ。耳の簡略が「決めないなら届けない」へ滑るほど、制度の置き場は分かれたまま残る。役割の地図と届出の線は、同じ棚に並んでも別の軸だ。割合の話を閉じても、届出の話は残る。誤解の回収は、ここにある。警察の立ち位置と届出の線を、一つの結論に畳まない。決め手の不在は、届出の消滅ではない。役割は分かれても、届出の線は残る。期待の置き場を、先に分ける。
栃木県の案内は、警察に事故の届け出を行っていないと交通事故証明書が発行されません、と置く。自動車安全運転センターも、必ず警察に届出をして、後日、交通事故証明書の交付を受ける、と示す。届出と証明書は、つながった入口だ。証明書は事故の事実を確認したことの証明として置かれる。保険や被害者保護の制度への入口の一つとしても読まれる。国交省が示す政府保障事業では、ひき逃げや無保険などの場面でも、交通事故証明書(人身事故扱い)が必要書類に並ぶ。入口の接続は、制度の地図として静かに読む。損得の煽りにはしない。証明書と保険と被害者保護の入口が、届出の線を通ってつながる。手続の細部には降りない。つながりの骨格だけを持つ。届出が証明書の手前にある、という線だけを先に読む。事実の証明の紙は、届出のあとに続く。制度の入口は、その紙を共有することがある。請求の手順表には降りない。接続は骨格までで足りる。
相談の入口もある。栃木県は交通事故相談所への相談を案内する。国交省のページも、相談の入口を示す。窓口の存在だけを地図に残す。電話の勧誘や示談の時機の助言は、この地図の外だ。割合は民事の棚にあり、警察の現場は事実の側にある。証明書に割合は載らない。民法の過失相殺の枠も、警察の現場適用ではない。それでも警察への届出は必要になる。過失割合は警察が決めない。届出の線は、その芯の外側ではなく、隣の線として残る。二つの線を混同しない。本の芯は割合の決め手にあり、届出はその隣にある。割合を警察が決めないことと、届出が残ることは、両立する。芯と届出を、同じ語に畳まない。制度の地図は、両立を静かに置く。耳の簡略に寄せず、線を分けて持つ。地図の締めは、ここまでだ。
参考:自動車安全運転センター「交通事故証明書」/栃木県「交通事故にあったら…」/国土交通省「損害賠償を受けるときは?」