雇用保険の本 第7章
雇用保険の受給資格とは、基本手当を受けられるかどうかを決める入口の条件だ。退職すれば必ず認められるわけではない。骨格は二つある。ひとつは、離職して失業の状態にあること。もうひとつは、被保険者期間が一定以上あることだ。失業の状態とは、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があり、求職活動をしているにもかかわらず職業に就けないこと、と公式は説明する。病気やけがですぐ働けないとき、妊娠や出産、育児で働けないときは原則として当たらない。休養や家事に専念するときも同様だ。
被保険者期間は、原則として離職日以前2年間に通算12か月以上必要だ。倒産や解雇などで離職した特定受給資格者、契約更新されなかったことなどによる特定理由離職者は、離職日以前1年間に通算6か月以上でも足りる、という別基準がある。被保険者期間の数え方は、離職日から1か月ごとに区切る。賃金支払の基礎日数が11日以上、または基礎時間数が80時間以上ある月を1か月とする。過去に基本手当などを受けたあとの期間だけが算定される、という整理もある。離職前2年間に疾病などで30日以上賃金を受けられなかったときは、その日数を加えた期間で見る枠もある。加算後の上限は4年だ。
特定受給資格者と特定理由離職者の区分は、所定給付日数や給付制限に影響する公式の枠だ。倒産や解雇に近い事由、労働条件の著しい相違、賃金未払い、いじめや退職勧奨などが、特定受給資格者の範囲に並ぶ。契約更新の希望がかなわなかった場合や、正当な理由のある自己都合などは、特定理由離職者の側に整理される。範囲の一覧と判断基準は、ハローワークの案内と厚労省のPDFにある。該当の可否は、証拠と主張を踏まえてハローワークが決める。不服があるときの審査請求の道も、公式の審査請求案内にある。
受給手続のあと、原則として7日間の待期がある。正当な理由のない自己都合離職などでは、待期のあとに給付制限が付く。退職日が令和7年4月1日以降なら制限は原則1か月、同年3月31日以前なら原則2か月と公式Q&Aは述べる。退職日から遡って5年以内に2回以上、正当な理由なく自己都合で受給資格決定を受けた場合は3か月だ。自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇も3か月とされる。日数は改正で動くことがあるので、手続前に最新案内を開く。
受給資格が認められると、受給説明会などを経て雇用保険受給資格者証などが交付される。証は手続の結果として手元に残る書類だ。離職理由のコード欄などは、のちの手続でも参照される。失業認定申告書とあわせ、以降の認定手続で使う。受給資格の骨格は、失業の状態と被保険者期間の二本だ。区分や制限の細部は、ハローワークと厚労省の案内で確かめる。迷う点は、住居所を管轄するハローワークへ戻る。
参考:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」/ハローワークインターネットサービス「基本手当について」/ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」/厚生労働省「基本手当について」