線の起点は低潮線と直線基線

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日本の海は国土の十二倍ある 第6章

第3章の12海里も第4章の200海里も、測り始めの線がなければ外側の線は引けません。第1章・第2章・第5章の数字も、同じ起点から外へ測った結果です。起点が先にあり、幅を示す数字はそのあとに続きます。用語ページでは、領海の基線を領海の幅を測定するための基となる線、と説明しています。通常の基線は、海岸の低潮線です。干満により海面が最も低くなったときに、陸地と水面の境界となる線がそれに当たります。

国連海洋法条約でも、通常の基線は沿岸国が公認する大縮尺海図に記載されている海岸の低潮線とする、と海上保安庁は紹介しています。我が国の海図は、海上保安庁が作成・刊行しています。領海及び接続水域に関する法律の第2条は、基線を低潮線、直線基線及び湾口若しくは湾内又は河口に引かれる直線とする、と定めています。同条第2項で、直線基線は国連海洋法条約第7条に定めるところに従い政令で定める、とあります。

海岸が著しく曲折しているか、海岸に沿って至近距離に一連の島がある場所には、一定の条件を満たす場合、適当な地点を結んだ直線を基線とできます。直線基線のページでは、全国15の海域に直線基線が設定されている、とあります。その経緯度の位置は施行令で示されます。湾口若しくは湾内又は河口に引かれる直線も、同じ第2条のなかに並びます。

低潮高地と呼ばれる陸地もあります。自然に形成され、低潮時には水に囲まれ水面上にあるが、高潮時には水中に没するものです。全部又は一部が本土又は島から領海の幅を超えない距離にあるときは、その低潮線を基線として用いることができます。全部が領海の幅を超える距離にあるときは、それ自体の領海を有しません。小さな陸地の位置ひとつが、外側の線の測り始めを沖へ押し出すことがあります。

領海の基線のページは、この基線が領海だけでなく接続水域、排他的経済水域及び大陸棚の幅を測る基にもなる、と示しています。第1章から見てきた数字の外側の円弧は、みな同じ測り始めから外側へ広がります。測り始めの線が沖へ出るほど、12海里や200海里の帯は陸のシルエットからさらに離れて膨らみます。地図帳に載る陸の輪郭だけでは、その膨らみの幅は見えません。

海図に載った低潮線と、政令で定めた直線基線が、海里の測りの起点です。見えている日本列島の形と、権利の区画の広さがずれる理由の一端は、この測り始めの線の置き方にあります。約447万km²という広い数字も、基線から外へ測り取った結果として表に並びます。陸のシルエットは入口にすぎず、基線からの海里の距離こそが広さの尺度です。

参考:海上保安庁「領海等に関する用語」/海上保安庁「領海の基線」/海上保安庁「直線基線」/e-Gov「領海及び接続水域に関する法律」/海上保安庁海洋情報部

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