大陸棚は延長できる

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日本の海は国土の十二倍ある 第5章

第4章の排他的経済水域が水の区画だとすれば、大陸棚は海底とその下の区画にあたります。第1章・第2章・第3章の領海の帯とも並ぶ、底の側の枠です。用語ページでは、原則として領海の基線から外側200海里までの海域の海底及びその下であり、領海を除く、と説明されています。200海里は約370kmと換算されています。排他的経済水域及び大陸棚に関する法律の第2条も、基線から二百海里までの海底及びその下を大陸棚とする、と置いています。水の帯と底の帯は、制度として並んで置かれます。

同じ用語ページは、地質的及び地形的条件等によっては国連海洋法条約の規定に従い延長できる、と続けます。内閣府の「大陸棚の延長」のページでも、国連の大陸棚限界委員会の審査で地形・地質的につながっていると認められた場合には、200海里を超えて大陸棚を設定できる、とあります。延長は地図の塗りを勝手に広げる話ではなく、条約と委員会の審査を通る話です。沿岸国には、大陸棚を探査し及びその天然資源を開発するための主権的権利を行使することが認められています。

国内法では、二百海里の外側に接する海域は、国連海洋法条約第76条に定めるところに従い、政令で定めます。海上保安庁のレポートによれば、平成20年に大陸棚限界委員会へ延長を申請し、平成24年に4海域で約31万km²の延長を認める勧告を受けました。平成26年10月には四国海盆海域及び沖大東海嶺南方海域の約18万km²を政令で定め、令和6年7月20日には小笠原海台海域の大部分約12万km²を追加しました。概念図が示す延長大陸棚の約30万km²は、この積み上げに対応します。

内閣府の報道発表でも、令和6年6月25日の閣議決定で、小笠原海台海域の大部分を延長大陸棚として新たに定める政令改正が示されています。勧告を受けたあとに政令で外縁を置く、という順番です。政令で定めた海域について、沿岸国として探査・開発の主権的権利等を国内法上行使できる、という書き方です。個別の鉱区や資源量の見積もりは扱いません。底の区画の広がり方は、水の区画の200海里とは別の手続きで外側へ増える場合があります。

第1章で見た領海と排他的経済水域の合計約447万km²に、延長大陸棚の約30万km²を足すと約477万km²になります。概念図の表は、端数処理で合計が個々の和と一致しない場合がある、とも注記しています。水の数字と底の数字を同じ箱に入れないことが、ここでも大切です。大陸棚の延長は、領土の線を動かす話ではなく、海底とその下に及ぶ主権的権利の外縁を定める話です。

次に見るのは、これらの海里の外側の線が、どの線を起点にして測られているかという話です。

参考:海上保安庁「領海等に関する用語」/海上保安庁「日本の領海等概念図」/内閣府「大陸棚の延長」/海上保安庁「海上保安レポート2025」/e-Gov「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」/内閣府報道発表(令和6年6月25日)

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