国立国会図書館の本 第2章
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納本制度とは、国内で発行された出版物を国立国会図書館(NDL)に納めることを、発行者に義務づけた制度だ。根拠は国立国会図書館法の第24条から第25条で、NDLは目的を、国民共有の文化的資産として広く利用に供し、永く後世に伝えるためと説明している。
民間の発行者について、第25条第1項はこう定める。
「発行の日から三十日以内に、最良版の完全なもの一部を国立国会図書館に納入しなければならない。」
「最良版」は、同じ時期に同じ発行者から出た、製本や装丁の違う同じ内容の出版物のうち、納本の目的にいちばん合うものをいう。NDLの案内では、ハードカバーとソフトカバーならハードカバー、特別装丁版と通常版なら特別装丁版が優先になる。「完全なもの」は、乱丁や落丁、傷、汚れがなく、付録などもそろったものだ。NDLは、30日を過ぎてしまっても納入はできるので、気づいた段階で納めてほしいと案内している。
対象は出版社だけではない。販売を目的とした出版社や新聞社、レコード会社だけでなく、学術団体や調査研究機関、企業・団体、個人などの出版者も対象になるとNDLは書いている。ここでいう「出版物」は、頒布を目的として相当部数作成された資料のことで、物の種類も広い。
- 図書、雑誌、新聞
- 地図、楽譜、レコード
- マイクロ資料、点字資料
- ビデオ、CD、DVDなどの電子出版物
一方で、機密扱いのものと簡易なものは対象外だ。NDLは簡易なものの例として、申込書、1枚もののチラシ、手帳、カレンダーを挙げている。内容が同じで刷を重ねただけのものも対象にならない。
国や地方公共団体の出版物は、条文で部数が決まっている。
- 国の諸機関 30部以下(第24条第1項)
- 独立行政法人、国立大学法人など 5部以下(第24条第2項)
- 都道府県と市の機関 5部以下(第24条の2第1項)
- 町村の機関 3部以下(第24条の2第1項)
どれも「直ちに」納めることになっていて、具体的な部数は館長が定める。都道府県や市、町村が設立した法人などにも、4部以下、2部以下という別の枠がある。
民間の出版物には、納めた人に払うお金の定めがある。第25条第3項は、出版と納入に通常かかる費用に相当する金額を、代償金として交付するとしている。NDLの説明では、通常は小売価格の5割に送料を加えた額になり、受け取るには納める前に手続きが要る。官庁出版物にこの定めはない。金額の基準や手続きは変わることがあるので、NDLの納本のページで確かめたい。
納めなかったときの定めもある。第25条の2は、発行者が正当な理由なく納入しなかったとき、その出版物の小売価額の5倍に相当する金額以下の過料に処すると定める。
紙やディスクの形をとらない電子書籍や電子雑誌は、オンライン資料として第25条の4で収集の対象になっている。
納める先や代償金の申請方法、オンライン資料の扱いは、NDLの公式サイトの「納本制度」のページにまとまっている。
参考:国立国会図書館「納本制度の概要」/国立国会図書館「出版社、レコード会社等からの納本」/国立国会図書館「納本制度」/e-Gov法令検索「国立国会図書館法」
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