白と黄と青の丸い絵

執筆者:

カテゴリ:

約3分で読めます

消火器は四分の一だけ赤ければいい 第2章

『消火器は四分の一だけ赤ければいい』の目次:消火器は四分の一だけ赤ければいい

消火器の胴に並ぶ丸い絵は、第38条第4項の表示だ。第1号は、適応する火災ごとに文字と絵の両方を求めている。

  1. A火災に適応する消火器は「普通火災用」
  2. B火災に適応する消火器は「油火災用」
  3. 電気火災に適応する消火器は「電気火災用」

絵の色は、同じ号の表に書かれている。

  1. A火災は「炎は赤色、可燃物は黒色とし、地色は白色とする。」
  2. B火災は「炎は赤色、可燃物は黒色とし、地色は黄色とする。」
  3. 電気火災は「電気の閃光は黄色とし、地色は青色とする。」

普通火災と油火災の絵は、炎と可燃物の色が同じで、地色だけが違う。電気火災の絵には炎も可燃物も出てこない。描くものとして指定されているのは電気の閃光で、色は黄色だ。

火災の区分は省令の第1条の2で定義されている。B火災は、消防法別表第一の第四類の危険物と、危険物の規制に関する政令の別表第四にある可燃性固体類と可燃性液体類の火災をいう。A火災は「B火災以外の火災」で、こちらは残りをすべて受ける書き方になっている。

電気火災という語は、第1条の2の定義には出てこない。定義は第38条第1項第6号の括弧書きに置かれている。

「B火災(変圧器、配電盤その他これらに類する電気設備の火災(以下「電気火災」という。)を除く。)又は電気火災に使用してはならない消火器にあつては、その旨」

第4項第1号はA火災にもB火災にも「電気火災を除く。」と書き添えている。この号の表示では、電気設備の火災はこの括弧書きによってAとBから外され、三つ目の区分として扱われる。第1項第7号の能力単位の数値は「A火災又はB火災に対する」もので、電気火災に対する能力単位の数値は挙げられていない。

油火災の定義に第四類の危険物が出てくるが、危険物の類別と火災の区分は別の体系だ。消防法別表第一は危険物を第一類から第六類に分け、第四類は「引火性液体」とされる。B火災の定義が名指しする類は第四類だけになる。危険物の類と資格の関係は危険物取扱者の本にある。

絵の大きさは第4項第2号が決めている。充てんする消火剤が2リットル又は3キログラム以下なら半径1センチメートル以上、それを超えれば半径1.5センチメートル以上だ(第38条第4項第2号、2026年10月時点)。絵の大きさは、縦横ではなく半径で示されている。

ノズルを切り替えると適応する火災が変わる消火器もある。第3号は、その場合に「○○ノズルの場合は、油火災用」「○○ノズルの場合は、電気火災用」と書き分けることを求めている。

住宅用消火器の表示は第44条にあり、第5号は「適応火災の絵表示(次のように図示すること。)」としている。第40条は、住宅用消火器が電気火災に適応するものでなければならないとする。住宅用の条文は第4章で読む。

白と黄と青の三つの地色は、第38条第4項第1号の表が火災の区分ごとに割り当てた色で、電気火災の区分そのものは同じ条の第1項第6号の括弧書きで決まる。

参考:e-Gov法令検索「消火器の技術上の規格を定める省令」/e-Gov法令検索「消防法」/e-Gov法令検索「危険物の規制に関する政令」

次の章:黄色い輪は抜くためにある

ほかの暮らし