消火器は四分の一だけ赤ければいい 第1章
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消火器といえば赤い筒だ。その赤には条文がある。消火器の技術上の規格を定める省令の第37条で、見出しは「塗色」。本文は一文しかない。
「消火器の外面は、その二十五パーセント以上を赤色仕上げとしなければならない。」
決まっているのは赤の下限だけだ。外面の四分の一が赤なら、この条文の求めは満たされる。残りの四分の三の色について第37条は何も書いておらず、なぜ赤なのかも書いていない(第37条、2026年10月時点)。
この省令は昭和39年の自治省令第27号で、消防法第21条の2第2項にもとづいて定められた。総則と雑則のあいだに、住宅用消火器以外の消火器、住宅用消火器、交換式消火器の三つの章が並ぶ。住宅用消火器以外の消火器の章は第2条から第38条までで、消火の能力、放射の性能、容器、安全栓などの条文が続く。色の条文はその終わり近くの一条にすぎない。
赤という語は、第37条のほかに第38条にも出てくる。
- ハロゲン化物消火器(ハロン一三〇一消火器を除く)の「注意」の文字は赤色(第2項)
- 自動車用消火器の「自動車用」の文字は赤色(第3項)
- 普通火災と油火災の絵表示の炎は赤色(第4項)
外面の色だけでなく、注意の文字と炎の絵にも赤が指定されている。法令が色を言葉で決める例には、信号の青は青色の灯火もある。
第38条第1項は、消火器に書く表示を十九の号で挙げる。消火器の種類の区別、使用方法、製造年、製造者名などが並ぶ。取扱い上の注意事項を挙げる第19号のハは、「標準的な期間又は期限として設計上設定される期間又は期限」だ。色の指定はこの第1項にはなく、第2項から第4項に出てくる。
省令が決める色は赤だけでもない。第38条第4項の絵表示は、地色を白色、黄色、青色と分けている。第21条第3項第3号は、安全栓のリング部を「黄色仕上げとすること」としている。どちらも消火器の外から見える部分の色だ。
規格が店頭の製品に及ぶのは、消防法の検定があるからだ。消防法施行令第37条は、検定対象機械器具等の第1号に消火器を挙げる。消防法第21条の2は、型式が規格に合うことの承認を型式承認と呼ぶ。個々の製品が承認された型式に合うかを調べる検定は、型式適合検定と呼ばれる。同条第4項により、検定の合格の表示が付いていないものは販売できず、販売の目的で陳列することもできない。検定の流れは第6章で扱う。
ただし第37条は、すべての消火器にかかるわけではない。住宅用消火器の章は第39条から第45条までで、ここに塗色の条文はない。第45条は、住宅用消火器以外の消火器の章から安全栓の第21条などを住宅用消火器に準用している。その中に第37条は入っていない。住宅用消火器の条文は第4章で読む。
建物に置かれた消火器には、置いたあとの決まりもある。消防法第8条は、防火管理者に行わせる業務に「消防の用に供する設備」の点検及び整備を挙げている。
消火器の赤は、省令第37条が外面の二十五パーセント以上という割合で決めている。残りの色と赤の理由は条文になく、住宅用消火器にはこの条文が準用されていない。
参考:e-Gov法令検索「消火器の技術上の規格を定める省令」/e-Gov法令検索「消防法」/e-Gov法令検索「消防法施行令」
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