相続登記の本 第5章
相続登記の必要書類は、申請の類型で中身が変わる。法定相続分か、遺産分割協議か、遺言か。法務局の一覧も、この三つの地図に分かれている。全国一律の独自チェックリストを作るより、公式の類型表に沿うほうが安全である。同じ相続でも、分け方の型で集める書類が増減する。
共通して集まりやすいものがある。登記申請書と、被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍などだ。相続人の戸籍、住民票(または戸籍の附票)、固定資産の評価が分かる書面、登録免許税の納付準備も典型に入る。これらが典型セットの骨格になる。申請書は作成する側、ほかは集める側、という分け方も公式の表にもある。
遺産分割協議による場合は、協議書と印鑑証明書が加わる。印鑑証明書は、協議書に押した印鑑に対応するものだ。法定相続分での申請では、協議書は通常いらない。遺言がある場合は、遺言書の種類に応じた書面が必要になる。自筆か公正証書かで、入手先や手続も分かれる。類型の差は、追加書類の有無でいちばん目立つ。
入手先も公式の表に載っている。戸籍類は本籍地の市区町村。住民票の除票は住所地、戸籍の附票は本籍地、という分け方だ。固定資産課税明細書は、毎年市区町村から届く評価の分かる書面として使う例がある。登記申請をする日の属する年度のものが必要、と案内されている。本人や配偶者、直系の戸籍は、本籍地以外でも請求できる場合がある。登記簿上の住所と本籍がずれるときは、除票や附票が要る場合がある、と備考にある。
戸籍の束が厚くなるときは、法定相続情報一覧図の写しで代用しうる、と法務局は説明する。一覧図の制度の細部までは追わない。戸籍の代わりに使える局面がある、という一行の地図で足りる程度だ。大量の戸籍を何度も出し直す負担を減らすための仕組みだ。相続手続全般で使い回せる利点が公式にも触れられている。
上記以外にも必要な書類がある場合がある、とPDFの注記にある。詳細は、管轄法務局の登記手続ハンドブックと登記手続案内で確認する。綴じ方や自分流の順番の攻略は扱わない。書類の名前と入手先の骨格を先に掴んでおく。不明点は、物件の所在地を管轄する法務局へ戻る。類型表と手元の分け方を照合すると、抜けに気づきやすくなる。
相続登記の必要書類は、申請書・戸籍類・住民票・評価の書面・登録免許税が典型の骨格だ。遺産分割や遺言では追加が変わる。入手先は市区町村の窓口が中心で、細部は管轄のハンドブックへ戻る。書類の地図は、集め方の攻略より先に、公式の類型表で掴むのが近道だ。
参考:法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」/法務局「登記手続ハンドブック」/法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」/法務省「不動産を相続した方へ」
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